研究課題/領域番号 |
08301013
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
佐々木 正道 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (30142326)
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研究分担者 |
吉野 諒三 統計数理研究所, 領域統計研究系, 助教授 (60220711)
山岡 和枝 帝京大学, 法学部, 助教授 (50091038)
林 文 東洋英和女学院大学, 人文学部, 助教授 (00180977)
鈴木 達三 帝京平成大学, 情報学部, 教授 (90000190)
林 知己夫 統計数理研究所, 名誉教授 (50000188)
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キーワード | 国際比較 / 国民性の形成過程 / 青少年の意識 / 実証的研究 |
研究概要 |
以下の項目を平成8年度に実施した。 1)国内・国外での国民性の指標となり得る青少年と成人の意識調査に関する調査資料データ及び文献の収集整理 2)収集調査データの二次的再分析と分析結果の検討 3)次年度の全国調査に取り入れる質問項目の選定 4)質問文を確定し、調査企画における問題点の検討整理 5)プリテスト調査実施委託 6)プリンストン大学より教授を招聘し助言を求める。 7)本調査実施計画作成 本年度の研究から得た知見は以下の通りである。 1)国内・国外での国民性の指標となり得る青少年と成人の意識調査に関する資料データは数多あるものの、時系列的データは統計数理研究所、総務庁青少年対策本部、ミシガン大学の高校生のMonitoring the Future、ギャラップ調査社のAmerica's Youth in the 1990s、ドイツのZUMA等かなり限られていることが明らかとなった。しかしこの点については、欧米においてまだ十分調査したとは言えず、来年度の課題である。尚、国民性の形成過程に関する先行研究の文献はほとんど見当たらず、本研究はより重要なものになり得る。 2)収集調査データの二次的再分析と日本で本年行った青少年を対象としたプリテストの結果、諸外国と比べ心情に関する伝統的価値観においては、青少年において回帰現象が見られるものの、社会制度における伝統的価値観や規範、特に合理的個人主義的さらに脱物質的考え方について、かなりの変容が見られることが明らかとなり、来年度実施する全国規模の本調査においてこれらの点をさらに詳しく検討する。 3)今年度プリンストン大学から教授を招聘し、上記の1)と2)の結果を踏まえ、来年度の調査企画について貴重な助言を得た。それは、主に国民性の形成過程でのprimary group(第一次集団)やreference group(準拠集団)の果たす役割の重要性と、青少年の人間関係を中心としたネットワークのインパクトの大きさに関するものであり、それを来年度の本調査に活かすつもりである。
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