研究課題/領域番号 |
08301017
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
北川 隆吉 専修大学, 文学部, 教授 (10061037)
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研究分担者 |
北島 滋 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (80109735)
岩城 完之 関東学院大学, 文学部, 教授 (10001794)
帯刀 治 茨城大学, 人文学部, 教授 (20007751)
板倉 達文 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (10139389)
柴田 弘捷 専修大学, 文学部, 教授 (80103414)
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キーワード | コミュニティ・ストラクチャー / グローバルゼーション / イノベーション / インフォメーション・システム |
研究概要 |
本研究は、グロバリゼーション、イノベーション、インフォメーション・システム、コミュニティ・ストラクチャーの4方面から、我が国社会の変動を調査検討し、事態の展開の根本に存在する社会的ダイナミズムをあきらかにすることを目的としている。 研究は3カ年にわたっているが、第1年度は、東京圏における5つのブロック、すなわち(1)臨海副都心(江東・墨田を含む)、(2)千葉・茨城県南地域、(3)埼玉中央部、(4)多摩地域(八王子、立川、多摩などの多摩の「心」地域)、(5)神奈川県中央地区を対象として、主題に沿って調査・研究を進めてきた。本年度は、これを対応する東海4県の(1)名古屋市及び周辺(中部新空港建設との関連)、(2)豊橋地区、(3)浜松・静岡西部、(4)岐阜県中濃地区(可児・美濃加茂・関)、(5)大垣地区の5ブロックを対象とした。なお、本年度新たに設けた研究対象(分野)は、(1)外国人労働者問題、(2)商業問題、(3)医療情報問題の3つである。これらの分野も含めて本年度調査の知見は以下のとおりである。 (1)東海4県においては、1990年代後半から今後21世紀初頭にかけてかなりの変動がみられること。その要因の一つに国家プロジェクトとの関係であり、具体的にはEXPOの開催、中部新空港建設、リニアモーターカなどの問題である。それによって5つのブロックの今後の動向は決定されるとみてよい。 (2)さらに重要なものとしてイノベーションの問題がある。このことは、EXPOの開催、中部新空港建設にも、豊橋・浜松の動向にも強いインパクトをあたえることになる。地域社会のレベルでいえば、東海4県の県をこえた行政の広域化と結びつき、中央省庁-地方自治体、行政の変化の基礎となる。 (3)こうしたことから、20世紀に向けて新しい変動が生まれつつあり、その中で都市・都市間連関、地域社会そのものの存立が問われようとしている。この点で、東京圏との対比でいえば、「東海」の分解・分極化の方向を見せ始めている。 以上のように、本研究は主題にそって二つの地域の5ブロックをそれぞれ対応させ、相互に比較対照することを主眼としている。その最終作業は、第三年度である来年度(1998年度)においてすすめられることになる。なお、本年の調査結果は、『現代日本の社会変動と地域社会の変容・再編II』(北川隆吉編 1998年3月)としてまとめられている。
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