異文化間教育の体系化に関する基礎的研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08301026
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 吉谷 武志 九州大学, 大学院人間環境研究科, 助教授 (60182747)
• 研究分担者: 山本 雅代 桃山学院大学, 文学部, 教授 (40230586) ; 佐藤 郡衛 東京学芸大学, 海外子女教育センター, 教授 (20205909) ; 小島 勝 龍谷大学, 文学部, 教授 (40140123) ; 本名 信行 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20079453) ; 江淵 一公 放送大学, 教育学部, 教授 (60036845)
• キーワード: 異文化間教育 / 海外・帰国子女教育 / 留学生教育 / 日本語教育 / 異文化理解教育 / 在日外国人教育 / 多分化教育 / バイリンガル教育

研究概要

本研究は、一つの自立的学問としての「異文化間教育学」の学的確立の方向性と可能性を探ることを究極のねらいとしている。具体的には、(1)異文化間教育研究の諸分野におけるこれまでの研究成果を整理統合し、相互に関連づけるための理論的枠組みを多角的に検討すること。(2)そうした枠組みの検討を通して、異文化間教育についてこれまで何が明らかにされてきたのか、その知見や技法の体系化をはかること。(3)教育学、心理学、言語学、人類学、コミュニケーション論、国際関係論等の隣接・関連諸科学の研究に対する異文化間教育研究の関係・位置づけを明らかにすること。(4)異文化間教育研究の理論的意義のみならず実践的意義を明らかにすること、等を目指している。
3年計画の最終年度に当たる本年度は、第1年度からの資料収集・整理を行うとともに、異文化間教育の理論化・体系化をめざして、
(1) 収集資料の分析に基づいて、海外・帰国子女教育、留学生教育、異文化理解教育、日本語教育、外国人子女教育等、異文化間教育の諸分野における研究成果の整理統合をすすめ、各分野からの理論枠組を作成、
(2) この枠組みに基づいて重要文献についての解題リスト及び解題を作成、
(3) 収集資料のデータ・ベース化に向けての枠組みの作成・改善、等を行った。
さらに本研究の研究成果として、異文化間教育体系化のための理論的枠組みを検討した最終報告書及び収集文献リストをとりまとめた付録資料集を作成した。

研究成果

• [文献書誌] 甘日出里美: "幼児教育における異文化間教育の理論と方法論の展望" 異文化教育. 12. 144-162 (1998)
• [文献書誌] 江淵一公(編著): "トランスカルチュラリズムの研究" 明石書店, 553 (1998)
• [文献書誌] 佐藤郡衛: "在日外国人児童・生徒の男女比適応とその教育(江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』所収)" 明石書店, 20 (1998)
• [文献書誌] 小島勝: "アジアの日本人学校における異文化体験の現状(江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』所収)" 明石書店, 30 (1998)
• [文献書誌] 横田雅弘: "大学式の国際交流意識とその醸成過程(江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』所収)" 明石書店, 23 (1998)
• [文献書誌] 白土悟: "中国人留学者団体の組織化とネットワーキングの動向(江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』所収)" 明石書店, 20 (1998)
• [文献書誌] 吉谷武志: "ヨーロッパ多文化社会における異文化間教育の可能性(江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』所収)" 明石書店, 15 (1998)
• [文献書誌] 甘日出里美: "幼児を対象とした異文化間教育の可能性(江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』所収)" 明石書店, 13 (1998)
• [文献書誌] 金俊章: "在日韓国・朝鮮人のアイデンティティに関する一考察(江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』所収)" 明石書店, 13 (1998)