研究課題/領域番号 |
08301036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 慶応義塾大学 (1997-1998) 青山学院大学 (1996) |
研究代表者 |
吉武 憲司 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (60210671)
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研究分担者 |
河原 温 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70186120)
堀越 宏一 東洋大学, 文学部, 助教授 (20255194)
西川 洋一 東京大学, 大学院・法学研究科, 教授 (00114596)
立石 博高 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00137027)
渡辺 節夫 青山学院大学, 文学部, 教授 (70036060)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | ヨーロッパ中世 / 権力 / 王権 / 貴族 / 教会 / 都市 / 法理念 / 政治思想 |
研究概要 |
当研究は、中世ヨーロッパ各地域の諸制度を当時のイデオロギーとも関連させながら比較史的に考察し、その権力構造の特質を明らかにすることを目的とした。この課題に取り組むにあたり、以下の五つの視点を中心に分析を行った。 (1) 君主制とその変化。古代から近代にいたるまでヨーロッパの基本的統治体制であった君主制の問題に関して、西川洋一が12世紀ドイツ皇帝権の変化を、甚野尚志が13世紀の教皇君主制の発展を、河原温が都市の入市儀礼を、土浪博がラントフリーデをそれぞれ考察した。 (2) 中央と地方「行政」の展開。12世紀以後の行政組織の発展と王国統合の問題を明らかにするため、吉武憲司がイングランドの財政紹織の発展を、また、堀越宏一がフランスの財政組織の発展を考察した。 (3) 貴族制の意味と変化。中世の基本的社会制度である貴族制問題は、薩摩秀登によりチェコの事例を題材に考察された。 (4) 教会と宗教の国家統合的機能。近代国家の統合は、異端や異教徒に対する政策を通して強化される傾向があった。この観点から、北野かほるが15世紀イングランドの異端を、立石博高が近世初期スペインのユダヤ人政策を論じた。 (5) 比較史的視点。ヨーロッパの権力構造の特質をより明確に理解するには、同一の起源を持ちながらも異なる発展をした地域を考察することが有益である。この意味で、最後に、大月康弘がビザンツ帝国の教会と皇帝権の問題を考察した。
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