研究分担者 |
重藤 実 東京大学, 大学院・人文社会研究科, 助教授 (80126078)
中川 裕之 東京都立大学, 人文学部, 助手 (10275000)
岡本 順治 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (80169151)
保阪 泰人 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (30199468)
荻野 蔵平 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (00134429)
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研究概要 |
本科学研究費の補助を受け,ドイツで研究者用に開発された光学文字認識ソフト(OCR)を購入・活用した。これはドイツ文字(Fraktur)も認識できるので,より一層の言語資料(コーパス)の整備が可能になった。保阪泰人(都立大)は入力と校正作業を継続してきた中高ドイツ語のテキスト“Der Renner"をコンコーダンス作成可能レベルにまで持っていくことができた。秋には東京大学本郷校舎にて研究打ち合わせの会議と中間発表を行った。研究打ち合わせでは,文法理論・認知理論・史的言語研究・コーパス言語学の観点から,理論の整理ならびに評価を行い,特に文法と意味構造の観点からの研究の方向性を確認,コンピューターを活用した言語研究の可能性について議論した。中間発表は中川裕之(都立大)が行った。本プロジェクトによって購入・整備してきたコーパスを構文研究に適用した例と言える。また、重藤実(東京大学)は日独の移動動詞の基礎語彙に関する研究を行い、幸田薫(東京大学)はコンピューターを用いて手紙文における発語内行為とモダリテートの研究を推進した。こうした研究発表と並んで、文の意味構造と統語構造、語の意味構造と語形成の関係、通時的ドイツ語研究に基づくコンコーダンス作成、最新の文法理論に基づく動詞記述、コーパス言語学的観点からの基本語順の分析といった諸研究の成果が、本年度末刊行の研究成果報告書にまとめられている。
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