研究課題
1.下記の研究を重点的に行なった。有限群の素数グラフと有限単純群分類定理を活用して千吉良直紀(室蘭工大)、飯寄信保(山口大)、八牧宏美(熊本大)は『素数グラフの頂点2からの距離が2以上の素数に対するシロ-群は可換である』ことを証明した。換言すれば『偶数位数の群では非可換なシロ-群は常に位数2の元と可換になる自明でない元を含む』と云う驚くような結果を得たことになる。これは鈴木通夫の(CIT)-群についての1960年の結果を一般化するばかりでなく有限群論のなかで最も普遍的な結果の一つと云える。また澤辺正人(熊本大)はコーンウエイ群Co.1の2根基部分群を決定した。これはAlperin-Dade予想の検証や2コホモロジーの計算に有効に使える重要な結果である。さらに千吉良直紀は有限群の素数グラフを応用して可換部分群の位数が1から連続している有限群を分類した。八牧宏美はモンスター単純群の奇数位数の極大部分群についての研究を、飯寄信保は群上の方程式と古典群の関係の研究を行った。2.下記の研究集会の開催を援助した。(1)「第14回代数的組合せ論シンポジウム」(7月14日-17日、国際基督教大学)世話人:鈴木寛、坂内英一、吉田知行、八牧宏美、主席者数:149名(2)「カテゴリー論とその周辺」(10月29日-31日、熊本大学自然科学研究科)世話人:吉田知行、出席者数:42名(3)「代数的組合せ論とその周辺」(11月17日-20日、山形大学理学部)世話人:坂内英一、小関道夫他、原田昌晃、出席者数:50名(4)「計算可換代数と計算代数幾何」(12月8日-12日、京都大学数理解析研究所)世話人:日比孝之、出席者数:96名
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