研究概要 |
本研究の目的は共形構造を中心とした微分多様体の総合的多面的研究を企画実行し,研究成果をあげることにあった. 平成9年度においては,前年度の研究進渉状況,到達点を踏まえて,8月に全国規模のシンポジウムを開催した(参加者数251名、サーベイ講演3、一般講演数5.3).このシンポジウムにおいて本研究目的に関する研究の深化と広がりの獲得および研究者間の情報交換を図ることができた. その結果,共形構造に関する大域解析的研究については,代表者の伊藤光弘,分担者の芥川和雄,納谷信,井関裕靖、加藤信らが中心となり,自己双対的4-多様体、共形平坦多様体、Einstein-Weyl多様体を含む共形幾何学全般にわたって非常に大きな成果をあげることができた.ベクトル束,ゲージ理論分野の研究では,代表者、分担者の浦川肇、新田貴士(8年度分担者)、長友康行(8年度分担者)らが、四元数K$″ahlere多様体上の自己双対ベクトル束の進展を中心として,研究上の大きな貢献をなした.また,分担者の満渕俊樹,関川浩永らを中心とする複素,概複素多様体の研究は,ケーラー構造,概ケーラー構造の解明に重要な前進をあげた. さらに等質空間、リーマン幾何学、シンブレクティック多様体、曲面論等、本研究と密接に関係する分野の研究においても、分担者相互の研究討論を含めて研究者間の共同研究の促進を大いに図ることができた.
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