研究課題/領域番号 |
08304010
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井上 淳 東京工業大学, 理学部, 教授 (40011613)
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研究分担者 |
平良 和昭 広島大学, 理学部, 教授 (90016163)
宮川 鉄郎 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10033929)
儀我 美一 北海道大学, 理学系研究科, 教授 (70144110)
鈴木 貴 大阪大学, 理学系研究科, 教授 (40114516)
増田 久弥 東北大学, 理学系研究科, 教授 (10090523)
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キーワード | 偏微分方程式系 / Hamilton-Jacobi方程式 / Fourier積分作用素 / スーパー空間 |
研究概要 |
井上は偏微分方程式系、即ち、Heisenbergの交換関係で表わされる非可換性以外に、係数が行列であることからくる非可換性をもったもの、に対して新しい解析的手法を開拓しつつある。その副産物として、Feynmanの問題、スピンをもった量子力学の方程式、例えば、Dirac、Weyl、Pauliの名の冠せられた方程式に対し、彼の開発した経路積分の方法が適用できるか?に対し一つの解答を与えた。即ち、それらの方程式の行列構造を新しい変数を導入した空間(スーパー空間)上で微分作用素として表現し、それにより、古典力学、より詳しくは陪特性方程式の解を求め、Hamilton-Jacobi方程式の解を構成する。それを相関数とするFourier積分作用素がFeynmanの問題の解答を与えることを示した。 中村玄氏の主催する「新しい解析的手法を求めて-逆問題から」の金銭的な補助をした。外国からの参加者を含め、逆問題に関して新しい問題意識や方法について若い研究者が感得しえたならば幸いである。 また、「痴人達と若人達の数学三昧」というシンポジウムを開き、東北大を退官された小竹氏と、名城大という弱小大学に移籍された岡本氏の講演を若人達と聞かせていただき、彼等の数学を伝承する試みをした。これは、文化としての数学は日本には未だ根付いていないという判断からの試みである。 他の分担者はそれぞれの課題を順当に発展されているという報告は受けているが、その詳しい実績報告は来年度のこの研究課題の総括時に報告する。
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