研究分担者 |
柳田 〓 東京大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10125677)
吉村 太彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70108447)
梶田 隆章 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40185773)
鈴木 洋一郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70144425)
丹羽 公雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60113445)
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研究概要 |
ニュートリノ物理学を種々の実験的手段と理論的道具立ての検討を基に,総合的に研究の促進を図ることが本研究の目的であった。研究期間の3年間に以下のような成果が得られた。 研究目的1 [加速器や原子炉を利用した長基線ニュートリノ振動実験の検討]加速器を用いた長基線ニュートリノ振動実験は,高エネルギー研究機構からニュートリノ・ビームをスーパーカミオカンデに打ち込むK2K実験の準備が進み,ニュートリノ・ビームラインの建設,前置検出器の開発・建設が終了してビームを打ち出す調整の段階に入った。この12ヶ月以内に実験が開始される予定である。 原子炉より生成される反ニュートリノを1,000トン液体シンチレータ検出器を用いて観測するニュートリノ振動実験,KamLANDは,17インチ高性能光電子増倍管の開発が終了して,1300本の増産を開始した。液体シンチレータの開発,プラスチック・シンチレータ容器の開発等が順調に進行し,2001年の実験開始を目指している。 研究目的2 [加速器や原子炉を利用した短基線ニュートリノ振動実験の検討]名古屋大学と欧州研究機関の共同実験であるCHORUS実験のデータ解析が進行して,v_u-v_1振動の結果が報告され新たな振動パラメータの制限領域が与えられた。 研究目的3 [大気ニュートリノ異常の実験的, 理論的検討]スーパーカミオカンデは,v_e,v_uによって生じた電子,ミュー粒子の天頂角分布の測定から,v_uの飛行距離に衣存してミュー粒子生成数が減少する結果を報告した。これは,v_u-v_1振動の証拠を示すものであり,タウ・ニュートリノが有限質量を持つことを示す一大発見である。 研究目的4 [太陽ニュートリノ欠損の実験的,理論的検討]スーパーカミオカンデは圧倒的な高統計データを用いて太陽ニュートリノのデータ解析を行い,太陽ニュートリノ欠損問題を解決するニュートリノ振動解に強い制限を与えた。今後は更にデータを蓄積して,v_e-v_u振動の発見を目指す。 研究期間の3年間、宮古、八幡平、大船渡で毎年80人規模の研究集会を開き、研究成果の報告、議論、研究方針の検討を行い研究推進を図った。
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