研究分担者 |
藤井 直之 名古屋大学, 理学部, 教授 (60011631)
里村 幹夫 静岡大学, 理学部, 教授 (50126778)
田中 寅夫 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027222)
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 教授 (30152078)
平原 和朗 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40165197)
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研究概要 |
本研究では伊東市周辺域で進行している地殻変動をGPS・合成開ロレーダ干渉といった地表変形観測と重力測定,ともに最近の急速な技術発展からもたらされた高精度で議論し,そのメカニズムまで議論することを目的としている.そして,3年間の研究実績から,総合的な地殻変動の試論が達成された同時に,今後のテクトニクスの議論では高精度な総合観測が絶対的に必要なことが明確になった. 1. 稠密GPS観測による伊東市周辺域における地殻変動の観測 1998年6月に稠密GPS観測を実施し,1997年6月〜1998年6月の期間における水平変動を観測した. 1998年5月上旬に伊東市周辺域では群発地震(最大M5.7)が発生しており,群発地震に伴う地殻変動が観測され,ダイク状マグマの貫入による開口と断層運動のモデルが推定された.しかし,観測された水平変動は二つの球状圧力源としても推定が可能である.また,より詳細な時間分解能で地殻水平変動を議論するために,対流圏水蒸気分布を考慮した解析方法の改善により測位解の高精度化を試みた. 2. 合成開ロレーダ干渉による伊東市周辺域における地殻変動 1998年5月群発地震前後に実施されたJERS-1(ふよう)によるSAR撮影から,同地震活動に伴う地殼変動を検出した.そして,より詳細な議論を進めるにはGPS観測と同様に対流圏における水蒸気遅延の考慮が重要なことが明確になった. 3. 精密絶対重力測定による伊東市周辺域における重力の時空間変化 1998年5月の群発地震では地震時およびその前後で,重力の時空間変化が明瞭になった.とりわけ,群発地震活動中の重力変化が観測されたことは重要である.また,群発地震活動中の重力時空間変化は震源域に対し南北に対照的なパターンを示した. 4. GPS・合成開ロレーダ干渉・重力観測にもとづく地殻変動のその力源に関する考察 1997年3月の群発地震に関して,その開口状況を時間変化として議論し,深さ4kmから開口が開始されること,開口量が最大にところに震源が集中することが明確となった..
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