研究課題/領域番号 |
08304029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武田 喬男 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (60022604)
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研究分担者 |
椎葉 充晴 京都大学, 防災研究所, 教授 (90026352)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
菊地 勝弘 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80000793)
藤吉 康志 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
中村 健治 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (20262917)
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キーワード | 中国淮河流域豪雨 / 大気陸面システム / メソスケール水循環 / 流域水収支 / 梅雨前線 / メソスケール降雨システム |
研究概要 |
本研究は、1991年6〜7月に中国淮河流域で起こった豪雨事例を研究対象として、気象・水文の共同研究により様々なデータ、数値モデルを用いた総合的な解析を行ない、亜熱帯前線帯流域におけるメソスケール大気陸面システムの水循環過程を明らかにすることを目的としている。本年度は、7月、および12月に研究分担者全員による研究集会を開催し、研究打ち合せ、成果発表も実施するなどして、下記の研究を行なった: 1)1991年淮河流域の豪雨事例について、これまで収集してきた気象、水文の各種データに加えて、流域の降雨レーダーのデータを入手し、さらに比較事例データとして1994年の淮河流域の気象、水文データを収集し、本研究の総合的解析の共通データセットを作成した。 2)上記データセットを用いて1991年豪雨事例の水収支を解析した結果、流域に停滞していた梅雨前線上のメソスケール雲システムの活動により、南から流域に流入する水蒸気が流域で効率よく降雨に変換されていること、また降雨イヴェントに対して淮河の流量に数日から1週間の遅れでピークが現れることなどが示された。 3)流域周辺の過去のデータも用いて対流雲の日変化を解析した結果、暖候期には、大気陸面の相互作用により、単に対流活動に日変化が現れるノミでなく、午後から夕方にかけて数100kmスケールの雲群に組織化されるという日変化がしばしば現れることが明らかににされた。 4)流域の水循環過程を再現するため、メソ大気数値モデルと陸面水文数値モデルの結合方針が討論され、数値モデルを中心とする次年度の研究計画が立案された。
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