研究分担者 |
磯辺 清 大阪市立大学, 理学部, 教授 (70101285)
矢野 重信 奈良女子大学, 理学部, 教授 (60011186)
海崎 純男 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20089874)
西田 雄三 山形大学, 理学部, 教授 (10037244)
伊藤 翼 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90007328)
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研究概要 |
金属間相互作用を制御することは、金属間相互作用を基盤とする機能性分子や分子集合体の創生のためのキ-ポイントとなる。本研究は配位子側からこの相互作用をどう制御するかを明かにしようとするもので、金属間相互作用をいろいろの観点から研究している研究者で組織されている。今年度もまず6月に班員全員が集まり、本テーマに沿った最新の成果を報告するとともに、今後の方針を話し合った。その結果,今年度も焦点をやや絞った形で研究を進めることとし,今年度の重点を、固体化学および触媒化学との接点に置くこととした。この目的に沿った研究成果のいくつかを以下に記す。硫化物固体の分子性モデルとして,レニウムの三核および六核硫化物クラスター錯体が多数合成され,その物性も調べられてこの分野で大きな進歩があった。硫化物クラスターでは,前周期元素の新型有機金属クラスター錯体が多数合成され大きな展開がみられた。ベンゼン誘導体と銀イオンとの錯体が系統的に合成され,新たな領域が開かれた。金属錯体集積体を用いてゼオライト型の機能を創出しようとする方向からは,メタンガスなどを可逆的に出し入れできる集積体が見い出されたが,これは気体の出入りに伴う骨格構造の変化がない優れた特徴をもつ。バナジウムとロジウムを混合した有機金属クラスターの動的な挙動が始めて明かにされ,その触媒作用との関連が明かにされたのも大きな成果である。平成9年12月には、研究成果の報告会を公開で開催し,広く班員外からもコメントを受け,次年度に向けての課題と新たな方向性とを確認した。
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