研究課題/領域番号 |
08304048
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
丸山 工作 千葉大学, 学長 (60012267)
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研究分担者 |
蟻川 謙太郎 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (20167232)
遠藤 克彦 山口大学, 理学部, 教授 (70089845)
御子柴 克彦 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30051840)
神崎 亮平 筑波大学, 生物科学系, 講師 (40221907)
西田 律夫 京都大学, 農学部, 助教授 (30135545)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 産卵誘起物質 / アゲハチョウ / 昆虫の本能 / 感覚毛 / 昆虫生理学 |
研究概要 |
アゲハはどのようにしてミカン、カラタチなどミカン科の食草を認識して産卵するのであろうか? アゲハは前肢先端の剛毛中にある感覚細胞でミカン葉中に含まれる10種類の物質中の数種類を認識してから産卵する。本研究ではアゲハの産卵刺激物質としてサンショウの葉から5'-p-coumaroylquinic acid,epicatechin,hesperidin,hyperinが同定された。 アゲハ前肢先端の感覚細胞のミカン葉産卵刺激物質に対する電気的応答をチップレコーディング法によって研究した。食草植物抽出液に対しては大きな活動電位が生じ、非食草植物抽出液では小さな活動電位しか発生しない、という有意義な差がみられた。したがって前肢感覚細胞は食草物質を特異的に認識するものとみなされる。それぞれの産卵物質に対する応答は研究中である。 アゲハ前肢感覚細胞にはミカン葉産卵刺激物質に特異的なレセプターが存在すると考えられる。アゲハ500羽から前肢末端を切断、RNAを抽出、PCR法で増幅した。メス画分に多く、オス画分に少ない成分をdifferential display法で分画して得られたcDNA断片を分析した。その1つはP450-チトクロムbオキダーゼであったが、レセプターcDNAはまだ見つかっていない。 アゲハの腹部末端にはメスにもオスにも光受容細胞が存在する。オス光受容細胞はメスとの交尾に必須であることがわかった。メスのそれは交尾には必要ではないが、産卵行動には必須である。腹部末端から肛門突起を突き出させて、葉をさぐりながら卵を産むさいに関与するものとみなされる。 ラットの嗅上皮細胞にgreen fluorescence protein(匂いレセプターの一種)をアデノウィルスベクター法によって過剰に発現させることに初めて成功した。これらはオクチルアルデヒドに対して電気的に反応した。
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