研究課題/領域番号 |
08305002
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
今野 浩 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10015969)
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研究分担者 |
鈴木 賢一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (30262306)
白川 浩 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (10216187)
古川 浩一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (20016455)
竹原 均 筑波大学, 社会工学系, 講師 (70261782)
楠岡 成男 東京大学, 数理科学, 教授 (00114463)
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キーワード | 財務管理 / 時系列解析 / GARCHモデル / 派生証券 / 経路依存型オプション / 金利期間構造 / 通過オプション / マルチベータモデル |
研究概要 |
合理的な投資基準に基づく金融投資のための数理工学的な手法・技術の確立を目指して、それぞれの分担課題につき検討を進め、現在までに以下のような成果を得た. リスクの構造解析と資産負債管理に関する研究(担当:枇々木、福川、古川)では、証券市場での株式時価総額による企業活動の総合評価を行い、結果として成長、非成長または倒産企業の類別が、財務政策並びに経営政策とどのように関係しているかを統計的に明らかにした. 資産収益率の時系列解析とその生成構造の解析に関する研究(担当:岸本(一)、矢島)では、金融時系列データのモデルとして広く利用されているARCH、GARCHモデルにおいて、最尤法を適用する場合に問題となっている初期分布の確定法について検討した.その結果、有限マルコフ過程による近似解析の導入によって、極限分布を求めることにより従来のシミュレーション法では排除できなかった初期値依存性を克服できることを示した. 派生証券の価格づけに関する研究(担当:大西、木島、楠岡)では、原資産の価格過程の経路に依存した利得を得る権利である経路依存型のオプションの評価法について検討した.結果としてあるクラスの経路依存型オプションに対する上下限価格を、離散時間モデルを用いて統一的に評価できるアルゴリズムを提案した. 金利の期間構造の分析に関する研究(担当:岸本(直)、白川、森平)では、いくつかの通貨及び金利が存在する下での通貨・オプションの評価法について検討した.結果として無裁定条件が成立する場合のオプション価格の、価値尺度材に対する普遍性並びにオプションプレミアムとモデルパラメータの関係を明らかにした. 大規模ポートフォリオ最適化に関する研究(担当:今野、鈴木、竹原、中里)では、東京証券取引所第1部に上場されている企業の株式収益率のファクター構造を分析し、結果としてマルチベータモデルによる期待収益率評価の有効性を示した.
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