研究分担者 |
前田 昌信 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (90051466)
土方 邦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016582)
新見 智秀 名古屋大学, 工学部, 教授 (70164522)
小林 敏雄 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (50013206)
川橋 正昭 埼玉大学, 工学部, 教授 (70008853)
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研究概要 |
熱流体現象解明のためのイメージング計測の対象は流速,温度,濃度の3つである。流速測定は流れに混入した粒子にレーザシート光を入射して粒子の移動を追跡するPIV法が主力であり,これを用いて遠心送風機内の流れや噴流火炎内の流れの速度が高精度で測定された。また高粒子密度流れのPIV法にカルマンフィルタ法を適用して粒子の追随性を補正する方法が進展した。特筆すべきは蛍光剤を封じ込めたポリマー粒子を含む混相流にレーザーシート光を入射し,誘起蛍光のみを検出して流速を測定し,同時に赤外線を利用した気泡像を撮影することにより界面近傍の流れと気泡の変形が明らかになったことである。 温度測定に関しては下記の2件の新手法が開発された。ひとつはArFレーザー光を励起光として空気中の酸素のレーザー誘起前期解離蛍光スペクトルを検出する方法であり,2つの波長域の積分蛍光強度比から温度が測定できることを理論的,実験的に明らかにした。他のひとつはエタノール中に溶解したフォトクロミズムにレーザーシート光を入射し,レーザー誘起蛍光の消色速度が絶対温度の関数である性質を利用した温度測定方法であり,本手法により自然対流場における温度分布をイメージングとして得ることが可能になった。 濃度については蒸発しつつある燃料噴霧内の燃料蒸気の2次元濃度分布がレーザー誘起蛍光画像法により測定された。また赤外二波長法による2次元蒸気濃度分布測定法も進展した。このほか噴霧火炎内に生成されたすす粒子群の2次元濃度分布がレイリー散乱法とレーザー加熱ふく射光法により得られ,同時にレーザー誘起蛍光法によりOHラジカルが画像可視化された。
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