研究課題/領域番号 |
08305010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 僖良 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005365)
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研究分担者 |
佐藤 良夫 富士通研究所, 部長(研究職)
曽根 秀昭 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (40134019)
玉井 輝夫 兵庫教育大学, 教授 (70053668)
若月 昇 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (40275615)
沢 孝一郎 慶応大学, 理工学部, 教授 (10051674)
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キーワード | 機構デバイス / 圧電アクチュエータ / アーク放電 / 電極損傷 / リレー / 分極反転 / 圧電単結晶 / 有限要素法 |
研究概要 |
本研究では層状反転ドメインを利用した圧電アクチュエータを用いることにより、電磁コイル不要で、超小型・高集積化リレーなどの機構デバイスの実現を目指している。本年度は前年度の成果を踏まえて研究を行った結果、以下の成果が得られた。 1.圧電単結晶を用いた新しい機構デバイスの設計データを得るために、前年度に確立した有限要素法シミュレーション技術を圧電アクチュエータに適用し、振動変位分布、共振周波数、及び電気機械結合係数の解析を行った。その結果、実験結果によく合った解析結果が得られ、本シミュレーション法が、デバイス設計に有効であることが示された。 2.圧電アクチュエータの小形化には、屈曲変位型が有利である。しかし、屈曲振動の共振周波数は一般に低く、パルス応答などではリンギングを生じる。そのため、まず電極形状によって、二次共振モードを抑圧する手法を確立した。次に、アクチュエータに変位(加速度)センサを内蔵して、負帰還によってリンギングを抑圧する方法を提案して、一次共振モードも抑制できることを理論的,実験的に確認した。更に、この手法によりアクチュエータ先端に応力が加わった場合にも一定の変位を実現できることを示した。 3.分極反転板を用いた屈曲変位型圧電アクチュエータを利用するリレーの特長は、多数個の集積が容易であることと、低接触圧でも電気接触抵抗を低く保持できる可能性にある。それらの特徴を活かし、かつ接触時に「すべり」を制御できるような高性能アクチュエータについての基礎的検討を行った。 4.リレーやコネクタなどの接触部品では、電気的特性や寿命などが、電極間のギャップや接触圧力に大幅に依存する。新しい構造の機構デバイスの研究には、これらの表面現象の解明が重要である。本年度の研究により、圧電アクチュエータが微小ギャップを制御できるようになり、接触現象の精密実験ができるようになった。
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