研究分担者 |
岩崎 徹也 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30272701)
藤田 政之 金沢大学, 工学部, 助教授 (90181370)
大須賀 公一 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (50191937)
杉江 俊治 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80171148)
足立 修一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (40222624)
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研究概要 |
次世代制御工学を考えるとき,非線形である制御対象のモデリングから制御則の設計とその実現,および計算機パワーを意識した制御理論までを統合する方法論の構築が必要である.本研究では,これらを専門とする研究者が集まり,互いに各自の最新の研究成果をもとに議論することによって,新しい研究の流れを生み出すとともに,統合された制御工学体系を念頭に置いた研究を進展させることができた.これらのことは,研究期間中に,合計8回の研究打ち合せ会と学会における特別セッション企画という形で実現した. その中の具体的な成果を大別すれば,次のような方向の研究が挙げられる. ・ロバスト制御を意識したモデリングに関する成果 ・インプリシット系や拘束系などモデルの枠組を広げる研究 ・無限次元系のロバスト制御理論の開発 ・非ホロニミック系のように非線形系の構造を利用する研究 ・非線形H_∞制御の理論と応用 ・サンプルデータ系の安定性 ・線形行列不等式などの数値最適化を利用した制御理論 モデリングについては,ロバスト制御理論を適用しやすい形での同定や,モデルの枠組みを広げる取り組みが議論された.またモデル集合の同定に関してセットメンバーシップ同定などの手法が整備されてきている.制御則では,より現実の制御対象を意識した非線形性に対処するために非ホロノミック系や非線形H_∞制御の理論が研究された.計算機を意識した制御理論としては,離散時間信号と連続時間信号が混在するサンプルデータ系について,そのロバスト安定性が議論された.また線形行列不等式と情報幾何学を結び付ける研究も行われた.このようにより使いやすい制御工学をめざした理論の統合化については,緒についたところではあるが,確実に進行している.
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