研究課題/領域番号 |
08305014
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三木 千寿 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016645)
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研究分担者 |
市川 篤司 東京工業大学, 工学部, 教授
森 猛 法政大学, 工学部, 教授 (10157860)
藤井 堅 広島大学, 工学部, 助教授 (60127701)
増田 陳紀 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (00016700)
三上 市蔵 関西大学, 工学部, 教授 (80067636)
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キーワード | 破壊靭性 / 予歪み / 高強度鋼 / 疲労強度向上 / 大入熱溶接 / 高性能鋼 / 低サイクル疲労 |
研究概要 |
本年度は、本科学研究費補助金研究の最終年度であり、今までの成果を取りまとめるとともに、以下の検討を行った。 1) 鋼材の予歪み(塑性歪み)導入による靭性劣化傾向について、種々の鋼材を用いて検討した。その結果、圧縮予歪みの方が引張予歪みを与えた場合よりも靭性の劣化傾向が大きいが、靭性の劣化度は鋼材により異なることが分かった。また、予歪みによる靭性の劣化原因についても、ミクロ的な破面観察、予歪み材の機械的性質などから、引張予歪み、圧縮予歪みの場合で比較検討を行った。 2) 鋼橋への高強度鋼の活用を目的として、これまで鋼橋に用いられたことがない、900MPa級の鋼材を用いて溶接試験体を製作し、疲労試験を行い、その疲労特性について検討した。また、鋼橋への活用に向け、溶接継手部の疲労強度向上を目指し、ハンマーピーニングや、改良溶接棒などの適用を検討した。 3) 高性能鋼に対する大入熱溶接の適用について、鋼材の靭性劣化といった観点から、過去の資料を整理し、また、実際に普通鋼、および高性能鋼に対して、大入熱溶接を施した突合せ溶接継手部を設け、大規模なCTOD試験を行い、大入熱溶接の適用の可能性について検討を行った。 4) 地震時に鋼材に生じる、低サイクル疲労に注目し、溶接構造用鋼材に対して低サイクル疲労試験を行い、鋼材の低サイクル疲労特性の検討、特に累積被害則について検討を行った。また、動的応答解析から求めた鋼製橋脚の挙動から、同様の鋼材を用いて擬似動的載荷実験を行い、鋼材の地震時に生じた低サイクル疲労についての検討を行った。
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