研究課題/領域番号 |
08305016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 総合 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東畑 郁生 東京大学, 工学系研究科, 教授 (20155500)
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研究分担者 |
土田 孝 運輸省, 港湾技術研究所, 室長
風間 秀彦 埼玉大学, 工学部, 講師 (40008868)
赤木 寛一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30150965)
福江 正治 東海大学, 海洋学部, 教授 (40119699)
足立 格一郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70184182)
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キーワード | 粘土 / 温度効果 / 熱分析 / せん断 / 圧密 / 年代効果 |
研究概要 |
次の事項について研究が進んでいる。 (1)高温環境が粘性土の諸特性に及ぼす影響の解明 電子顕微鏡観察により、乱した粘土に比べて不撹乱粘土には高度なペッド構造が発達していることがまず示された。次に高温環境で圧密した粘土試料を同様に電子顕微鏡観察したところ、若齢にもかかわらず高度な構造が見られた。これにより、高温圧密には粘土の年代効果を短時間に再現する効果があるらしいことが示された。 (2)異なる圧密度の粘土試料を用いた示差走差熱分析 粘土試料を氷点下30℃で凍結させ、その後一定速度で温度を上昇させて行く。試料が周辺から吸収する熱量を計測していると、間隙水が融解するときに潜熱を必要とするので、大きな熱吸収が見られる。間隙水の内で自由水と呼ばれるものは、凝固点降下のため-1℃付近で吸熱のピークを示す。しかしこれ以外にもっと低い湿度でも吸熱ピークが存在し、これは粘土表面に吸着されている水分の融解に起因するものと思われる。このようなピークの大小を圧密度と比較することにより、粘土の年代効果と二次圧密、吸着水の脱水の関係を調べている。 (3)炭酸カルシウム含有量と粘土のせん断強度との関係 日本各地の近海の海底から採取した粘土試料を利用して、炭酸カルシウム含有量とせん断強度(ベーン強度)および鋭敏比との相関を調べている。炭酸カルシウムは海底における微生物の死骸に起源を持ち、粘土粒子間を接着している。これが多く含まれている粘土ほど強度が大きく、接着効果を裏付けている。また同時に鋭敏比も高いが、これは撹乱によって接着が破壊されるからであろう。
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