研究分担者 |
富永 晃宏 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135530)
管 和利 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (70052884)
河原 能久 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (70143823)
清水 康行 北海道大学, 工学部, 助教授 (20261331)
禰津 家久 京都大学, 工学研究科, 教授 (30109029)
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研究概要 |
池田は両岸に複断面を有する複断面水路における横断方向運動量輸送の特性を室内実験により検討した.実験では高水敷と低水路幅を系統的に変化させ,その境界部に発生する2列の渦列の干渉効果と横断方向運動量輸送の関係を定量的にとらえた.その結果,渦列がもっとも干渉し合うとき,安定な渦列が形成され,横断方向運動量輸送が大きくなること,渦列の干渉効果がある場合でも水平大規模渦の波長は線形不安定解析による理論波長と良好な一致を示すことが明らかにされた.禰津は最新の可視化計測法の一つであるPTVを用いて,高水敷・低水路境界部に発生する大規模水平渦の瞬間構造の室内実験による計測を行った.その結果,周期渦の位相に伴う流速変動高相関域は高水敷上に広く分布し,大規模水平渦は高水敷上の流れに大きく影響を及ぼすことが明らかになった.石垣は,蛇行複断面開水路における大規模渦の3次元構造のLDVを用いた高精度な計測を行った.低水路蛇行位相による断面内2次流の変化を定量的にとらえ,蛇行複断面水路における低水路,高水敷間の質量・運動量輸送特性を明らかにした.富永,管は実河川を想定し,高水敷き上に樹木を有する複断面水路において流量の非定常性による流れの構造の変化を実験的に検討している.河原は同様の非定常性の影響を数値計算により再現し,実験・観測では得ることの出来ない詳細な数値データを取得し,更に,モデルの高精度化を行っている.清水・船木は,河川蛇行,底面形状と流れの関係について,ADCPをもちいた現地観測をおこない定量的な現地データを蓄積している.また,綾は従来計測することが困難であった洪水時の現地河川の平面流速分布をPIVを用いて計測している. 次年度は各研究者の研究成果を持ち寄り,議論を重ね,最終的な方向性を再検討した上で,複断面河川の流れと植生の影響に関して総合的な検討を行っていく予定である.
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