研究分担者 |
河野 昭雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (50038105)
吉村 浩二 大分大学, 工学部, 教授 (90037961)
新宮 義信 福岡大学, 工学部, 教授 (50078622)
増田 貫志 九州産業大学, 工学部, 教授 (10069453)
三谷 勲 神戸大学, 工学部, 教授 (70037935)
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研究概要 |
鋼・コンクリート合成構造骨組の地震応答解析および各種接合部の応力伝達機構のモデル化とその解析結果の討議を行った.さらに前年度に立案し,試験体を製作していた4種類の実験を行い,その実験結果の検討を行った.(1)SRC-RC混合部材の実験:せん断スパン比2のSRC-RC混合柱部材の載荷実験を行った.実験変数は内蔵鉄骨の挿入長さと鉄骨先端部のせん断補強筋量である.鉄骨挿入長さを長くすることにより,柱部材の耐力は上昇した.しかし,逆S字形の履歴ループを描き,鉄骨先端部付近がせん断破壊した.履歴ループを紡錘形にするにはどのようなことをすべきか今後検討する.(2)CFT部材とSRC部材の継手の実験:CFT部材とSRC部材の継手において,ディテイルおよび柱導入軸力(0,引張軸力)を実験変数に選び,実験を行った.実験結果より,軸力,せん断力,曲げモーメントを円滑に伝達するための設計式を提案した.(3)柱梁接合部の実験:芯鉄骨合成柱・鉄骨梁およびRC柱・鉄骨梁で構成される十字形骨組の載荷実験を行った.実験変数は柱の構造種別および接合部ディテイルである.今回の実験では接合部にせん断楕強筋を配していないため,全ての試験体で梁の曲げ耐力を発揮させることができず,支圧破壊および仕口のせん断破壊で耐力が決まった.今後,柱梁接合部のせん断補強筋の有無による応力伝達機構の違いおよび力学的に合理的なせん断補強方法の提案について検討する.(4)SRC柱脚の実験:SRC柱の非埋込み柱脚の実験を行った.実験変数は,柱軸力比で,SRC断面の圧縮耐力の30%の圧縮力,0,鉄筋およびアンカーボルトの引張耐力の30%,50%の軸力とした.高引張軸力のもとでは終局時の柱脚底部のひび割れ開口が大きく,水平方向のずれを生じたが,圧縮軸力を受ける試験体同様,安定した紡鍾形のループを描き,変形能力に富んだ性状を示した.
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