研究分担者 |
吉住 孝志 久留米工業大学, 工学部, 助教授 (60112314)
内田 保博 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (80168707)
河野 昭彦 九州大学, 大学院人間環境学研究科, 助教授 (60136520)
木村 潤一 福岡大学, 工学部, 助教授 (50090866)
新宮 義信 福岡大学, 工学部, 教授 (50078622)
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研究概要 |
平成8年度および9年度に得られた研究成果を元に,部材,骨組の載荷実験および骨組,各種接合部の弾塑性解析を行った. 下層・鉄骨鉄筋コンクリート(以下SRC)部材,上層・鉄筋コンクリート(以下RC)部材で構成される建築構造物における切替階を対象とし,材端および柱の材長方向の一部をSRC断面とし,残りを鉄筋コンクリート(以下RC)断面としたSRC・RC混合部材がせん断曲げを受けるときの構造性能を調べるために,鉄骨挿入長さおよび主筋の補強の有無を実験変数に選び,6体の部材実験を行った.昨年度実施した実験では主筋の補強を行っておらず,鉄骨先端部でRC部分のせん断破壊が生じ,せん断破壊特有の逆S字形の履歴性状を示したが,本年度は鉄骨先端部に主筋の適切な補強筋を配することによりエネルギー吸収特性に優れた,安定した履歴性状を示し,材端のSRC断面の一般化累加強度を発揮させることができることを明らかにした.さらに適切な主筋の補強量としては,構造の切替部である鉄骨先端部において,存在応力の1.5倍の曲げ抵抗力を持たせるように補強すべきことを明らかとした. 部材の挙動を把握した上で,鉄骨挿入長さおよび主筋の補強の有無を実験変数に選び,この混合柱とRC梁で構成される1層1スパンラーメン骨組試験体を4体製作し,一定軸力と繰返し水平力を載荷する実験を行った.その結果,柱材長における鉄骨挿入長さが比較的短い場合には,部材実験の結果と同様に主筋の補強が必要であること,さらに反曲点付近まで鉄骨を延ばしておけば主筋の補強を必要としないことを示した. 上層RC・下層SRC混合骨組の弾塑性地震応答解析を行い,構造の切替階の存在が骨組の挙動に及ぼす影響および切替階における設計法について提案を行った.さらに各種接合部の応力伝達機構のモデル化とその解析を行い,接合部における応力・変形のレベル,軸力・曲げ・せん断の割合,などを調べて接合部に要求される設計条件を提案した.
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