研究分担者 |
鈴木 喬 山梨大学, 工学部, 教授 (47317105)
神谷 寛一 三重大学, 工学部, 教授 (00024597)
戸田 善久 千葉工業大学, 工学部, 教授 (30083869)
梅垣 高士 東京都立大学, 工学部, 教授 (70087287)
安江 任 日本大学, 理工学部, 教授 (90059973)
|
研究概要 |
カルシウム塩類水溶液とリン酸アルカリ水溶液との反応によって非晶質リン酸カルシウム(ACP)が生成する。このACPの構造中には水分子が存在し,熱分析により詳細に検討すると,活性化エネルギーの低い吸着水と高い結合水に分類することができ,Ca/P原子比を高くすると結合水量が増大することを明らかにした。また,合成の際にNi^<2+>イオンやCo^<2+>などの遷移金属イオンを微量添加すると非晶物質に安定に生成させることができ,これらのイオンは添加量5mol%までは添加量に依存して含有されていた。 トリカルボン酸回路を経由してつくられるコハク酸,繊維状タンパク質の一種であるコラーゲンの構成アミノ酸であるグリシンとACP(Ca/P原子比:1.5)の複合化では,有機酸濃度,pH,温度などの条件により吸着量を制御することができ,コハク酸では6wt%,グリシンでは13.3wt%程度HApに吸着する。なお,タンパク質の定量には設備備品で購入した分光光度計を用いた。 HAp単独では十分な強度が得られないため生体親和性にはおとる高強度アルミナ焼結体基板と複合化させ両者の欠点を補完した複合生体材料の作成を行った。アルミナ基板にCa(NO_3)_<2->Si(OC_2H_5)_<4->C_2H_5OH系反応により作成したゾル溶液をディップコーティング法によりコーティング後,1000℃で焼結することにより基板上にアパタイトを沈着させた。また,電子顕微鏡により境界を観察するとアルミノリン酸塩の生成が見られ,強固に接合されていることが確かめられた。 また,リン酸含有化合物の高機能化(電気的性能,生体活性機能)に関する研究についても検討を行った。
|