研究課題
本年度の研究実績は次の通りである。1.平成8年度の九州大学での規則波中の実験において、造波装置の不備が明らかになった。そのため、造波駆動装置を取り替えて、再度2隻の模型船(貨物船型とタンカー船型)の規則波(短波長向波)における、船体抵抗とプロペラ面の伴流計測を行った。その結果、造波装置から30m程度までは安定した規則波(波長0.5m〜1.75m)が得られるようになった。抵坑増加量は、波長が小さい範囲ではバラつきがあるが、他水槽で得られた値より大き目の値が得られた。また、プロペラ面の平均伴流率については、波長が長くなるにつれて、小さくなる結果がえられた。この結果も船舶技術研究所が得られた傾向と一致した。2.規則波中におけるタンカー船型の船体抵抗増加を理論計算によって算定し、実験値と比較検討した。計算値は、船首部で反射した波による抵抗増加を精度良く予測できることが分った。3.大型模型船を用いて、規則波の自航試験を行うと共に、5孔管によるプロペラ面の伴流分布を計測し、さらに船尾付近の圧力分布を計測した。伴流率については、規則波中では減少し、圧力分布は平水中と略同じであった。4.動揺する船のまわりの流れのCFDシミュレーションを行った。5.非定常プロペラ性能を解析する簡便なパネル法を開発した。6.矩波長規則波中の船の推進性能を解明する定式化を完成させ、数式船型に対する数値計算を実行した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (6件)