研究課題/領域番号 |
08306001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平井 篤志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60023470)
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研究分担者 |
長戸 康郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
池橋 宏 京都大学, 農学部, 教授 (50193222)
服部 一三 名古屋大学, 農学部, 教授 (40023494)
三上 哲夫 北海道大学, 農学部, 教授 (50133715)
佐野 芳雄 北海道大学, 農学部, 教授 (70109528)
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キーワード | イネ / ミトコンドリアゲノム / 転写機構 / 転移 / tRNA |
研究概要 |
組織培養技術や植物分子生物学などの発展に支えられた植物の生物工学は遺伝子を植物体に導入しそれを改変することを可能にした。しかしこれを実際の作物の育種に適用するためには多くの問題を残している。このため育種学の中心的研究者により、生物工学を育種の実用的な有力な手段とするため、連携を保ちつつ総合的に研究を進めている。 植物は以前から自然の力を利用して他のDNAを自分のゲノムに取り入れてきた。これらのDNA断片のうちあるものは淘汰され、あるものはゲノムに組み込まれ必要な遺伝子になってきた。この過程を解析することは外来遺伝子の安定性を調べる上からも重要である。そこでイネミトコンドリアゲノム内の葉緑体からの転移DNAの安定性を遺伝子発現の面からとらえた。 葉緑体からの転移断片には安定なものと不安定なものがあり、安定な断片を調べるとtRNAなどの生存に必須な遺伝子か、従来からの遺伝子の転写に必要なプロモータ配列であった。この結果より生存に必要な機能を持つ断片は安定的に次世代に伝えられることが明らかになった。 アルギニンtRNA遺伝子は現在のところイネでのみ見られる葉緑体転移遺伝子で、葉緑体の遺伝子と100%の相同性を持ち機能を持つはずであるが、発現は見られなかった。この遺伝子は最近葉緑体から転移したと思われるが、発現するようになり機能を持つのか、消去されるのかは興味ある問題である。
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