研究課題/領域番号 |
08306020
|
応募区分 | 総合 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 篤彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90011923)
|
研究分担者 |
稲葉 睦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00183179)
井上 玲 東邦大学, 医学部, 講師 (10151599)
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
亘 敏広 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50220950)
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60163804)
|
キーワード | 動物 / 腫瘍 / 感染症 / 遺伝性疾患 / 分子機構 / 癌抑制遺伝子 / レトロウイルス / 血液凝固因子 |
研究概要 |
動物の難治性疾患を腫瘍、感染症、遺伝性疾患の3分野に大別し、各疾患における分子機構を解析した。 (1)腫瘍:ネコ白血病ウイルス(FeLV)LTRのプロモーター活性をCATアッセイによって検討したところ、T細胞および骨髄細胞のそれぞれにおいて特異的に強いプロモーター活性を示し、特徴的な構造を示すLTRを有するFeLV株が見いだされ、それらが病原性の発現と密接に関与していることが明らかとなった。その他、犬の悪性腫瘍において、p53遺伝子の変異が高頻度に見いだされ、またマイクロサテライトマーカーの検出によってDNAの不安定性を解析するシステムを作成した。 (2)感染症:ネコ免疫不全ウイルス(FIV)のenv遺伝子の塩基配列の解析の結果、脳炎の発症との関連が示唆される遺伝子構造が明らかとなった。また、FIV感染症におけるアポトーシスの誘導において、Fas抗原の発現増強が存在することを見いだした。 (3)遺伝性疾患:ウシの第XIII因子異常症において、そのサブユニットa(FXIIIa)遺伝子の変異を明らかにし、その発症牛およびキャリアーにおけるDNA診断系を開発した。次に、この遺伝子変異が、その病態の発症機構の中心的役割を担っていることが示唆された。また、ウシの遺伝性バンド3欠損症について、原因遺伝子異常の同定、病態概要の解析、遺伝子診断の確立とフィールドへの適用を遂行した。さらに、新生仔牛の奇形赤血球症について、主にヘモグロビン異常の膜蛋白質異常の観点から解析を行い、患牛赤血球にみられるヘモグロビンならびに4.2蛋白質の分子機構を同定した。
|