研究課題/領域番号 |
08307005
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
和田 攻 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60009933)
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研究分担者 |
山崎 信行 東京大学, 医学部・(医), 教務職員 (40143424)
長橋 捷 東京大学, 医学部・(医), 助手 (90009994)
野寺 誠 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70189413)
柳沢 裕之 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10200536)
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キーワード | 二酸化ゲルマニウム / 間質性腎炎 / コラーゲン / フィブロネフチン / エナラブリル / L-アルウヂュン |
研究概要 |
ゲルマニウム(Ge)化合物は、赤血球生成作用・降圧作用・抗腫瘍作用・免疫調節作用・アミロイドーシスの抑制作用などを有することが報告され、1970年代に日本をはじめアメリカ合衆国・イギリス・ドイツなどで建康食品として市販されてきた。1980年代中頃、日本でGe化合物の摂取に起因すると思われる進行性腎障害の合併が報告され、以後動物実験などで、Ge toxicityに関する研究が精力的に行われた。1980年代後半から1990年代初期にかけてGe化合物、特にGeO_2の短期投与で遠位尿細管障害が認められ、さらに継続的に投与(長期投与)することで腎間質への炎症性細胞浸潤、腎間質の線維化などの間質性腎炎を呈することが報告された。しかしながら、それ以後、Ge toxicityに関する研究はあまり行われておらず、Ge化合物の摂取により、なぜ間質性腎炎が発症し、進展するのか未だ明らかでない。現在、間質の線維化の本態は、collagen・fibronectinなどの増生であることが知られており、macrophageはこれらのmatrixの発現の誘導因子であることが報告されている。昨年度までの研究で、我々は、GeO_2(150mg/kg)を4カ月間ラットに摂取させると間質性腎炎が発生することを見出し、この間質性腎炎では、macrophge infiltration・collagen mRNA・fibronectin mRNA,、co11agen及びfibronectin proteinの発現が有意に亢進していることを報告した。また、腎疾患の発症及び進展に重要な役割を演じるrenin-angiotensin systemは、このモデルの進展に関与していないことを証明した。本年度は、GeO_2誘発性間質性腎炎の進展をL-argimineが阻止するかどうかを検討した。その結果、このモデルで観察されるmacrophge infiltration、collagen mRNA・protein及びfibronectin mRNA・proteinの発現は、L-argimineの投与で抑制され、GeO_2による間質性腎炎に対するL-argimineの有用性が示唆された。
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