研究課題/領域番号 |
08307008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
山口 清次 島根医科大学, 医学部, 教授 (60144044)
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研究分担者 |
鈴木 康之 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00163014)
澤田 淳 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10079874)
橋本 隆 信州大学, 医学部, 教授 (80009935)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 脂肪酸代謝異常 / ミトコンドリアβ-酸化 / ペルオキシソームβ-酸化 / 質量分析 / タンデムマス / 遺伝子解析 / 遺伝症早期診断システム / 遺伝症の病因解析 |
研究概要 |
2年間(平成8〜9年度)の本研究プロジェクトにおいて以下の成果をあげた: 1)GC/MSによる尿中有機酸分析による、ミトコンドリアおよびペルオキシソームβ-酸化異常症の特徴を検討した.前者ではアシルグリシン分析法を確立した.後者では尿中ジカルボキシルエポキシドの上昇が診断に有用なことを見い出した. 2)血液濾紙を用いた極長鎖脂肪酸分析によるペルオキシソーム病スクリーニング法を確立した. 3)タンデムマスによる血中アシルカルニチン分析によるミトコンドリアβ-酸化異常症の診断法と確立した. 4)わが国におけるβ-酸化異常症患者の実態調査を行った.ミトコンドリア系では40例、ペルオキシソーム病は23例(調査できた副腎白質ジストロフィーは別に52例あり)の患者を見い出し、発症形態、臨床経過、診断方法などを調査した. 5)ミトコンドリアβ-酸化異常症11種類の酵素活性測定あるいは免疫生化学的解析法を確立した. 6)ペルオキシソーム病10種類について、生化学的、形態学的あるいは酵素学的診断法を確立した. 7)ミトコンドリアβ-酸化異常症である極長鎖アシル-CoA脱水素酵素欠損症、三頭酵素欠損症の病因を分子レベルで解明した. 8)新しいペルオキシソーム酵素であるD-二頭酵素を発見しその欠損症の酵素診断、遺伝子解析を行い、病因を確定した. 9)本研究プロジェクトの経験を生かして、質量分析などによる体液分析による診断、酵素診断、培養細胞を用いた免疫生化学的診断、酵素蛋白を検出する免疫生化学的方法、遺伝子解析のできる拠点施設をわが国でも整備して、β-酸化異常症の早期診断、病因検索体制を作り上げてゆきたい.
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