研究課題
基盤研究(A)
1996年日本ウィルムス腫瘍グループスタディが開始された。1996〜1998年登録症例につき登録状況、治療状況、病理学的診断、分子生物学的評価及び進捗状況は後述する表の如くであり、以下に概略する。登録状況:1996年スタディ開始後から登録されたのは1996年が12例、1997年が17例、1998年が28例で計57例で、そのうち適格症例は1996年が9例、1997年が16例、1998年が28例、計53例あった。性別は男児26例、女児27例であり、臨床病期はstage Iが17例、IIが14例、IIIが10例、IVが5例、Vが6例であった。(1) 治療状況:病期・病理に則り選択するregimenの施行状況、その治療結果・予後及び副作用報告について検討した。短期集中型プロトコールによりregimenは、EE-4Aが25例、DD-4Aが9例、RTKが2例、CCSKが1例であった。治療状況はほぼ順調である。(2) 病理診断:グループスタディ参加施設での病理診断と同時にcentral review systemを施行した。標本送付は43例であり、腎芽腫が38例、MRTK4例、CCSK1例であった。(3) 分子生物学的解析:WT1 geneにつきサザンプロット法、PCR-SSCP後、異常例については塩基配列の決定を行っている。アジア人でのウィルムス腫瘍発癌の意義を解明するのに有意義な結果であり、中国・韓国との協力研究体制を目指している。(4) 情報の共有:得られたデータは汎用データベースマネジメントシステムを用いて保存し解析に用いている。現在、登録状況や検体送付状況、進捗状況などをインターネットを利用したイントラネットで情報共有できるシステムを、限られた施設で試験運用中である。今後は、全参加施設との情報伝達・共有の手段となるよう拡張を予定している。
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