研究課題/領域番号 |
08308001
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
本間 清一 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (50017240)
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研究分担者 |
橋詰 直孝 東邦大学, 医学部付属病院・大橋病院, 教授 (60057619)
村田 容常 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (60210051)
大塚 恵 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (20175243)
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90008730)
島田 淳子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (60017233)
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キーワード | アルコール / アルコールデヒドロゲナーゼ / アルデヒド脱水素酵素 / アルコール依存症 / 風味 / 食品物性 / 官能検査 / 調理 |
研究概要 |
(1)保存食品をはじめアルコール添加・含有食品約90種類のアルコール含有量を測定した。各食品の水抽出液を30分間水蒸気蒸留し、蒸留液中のアルコールを酵素法で定量した。うに、塩辛などの海産物加工品(0.93〜7.56%)は特に多く、味噌(0.84〜4.20%)・醤油(1.60〜3.96%)・漬物でもビールに匹敵する濃度のものもあった。洋菓子(〜4.52%)では、チョコレートのようにアルコール含有の注意書きのあるものが多かった。パンのように微量含んでいるものもあった。 調理・加熱に伴う食素材中のアルコールの消失割合を測定した。味噌汁を沸騰させると1分で67%、5分で26%に減少、スポンジケーキと生中華面は1%以下、スパイスケーキは49%に減少した。赤魚糟漬けは99%のアルコールが残存した。 (2)アルコールデヒドロゲナーゼ(ALDH)を持つアルコール依存症の治療に役立つと考えられるアルデヒド脱水素酵素の阻害剤を約50種類の食品・素材からスクリーニングした。その結果、シナモン2kgより約3mgの白色粉末の活性成分を得た。長いアルキル側鎖をつ分子量390程度の物質であり、アルコール脱水素酵素を阻害しない有効なALDH阻害物質と思われる。 (3)低濃度レベルのアルコール摂取の健康に対する疫学調査表を作り、予備調査した。 (4)アルコールの風味に対する影響をしらべた。食品物性への影響としは、清酒は炊き込みご飯の水っぽさを改良し、ワインは肉質の軟化や適度のしまりと弾力を与えることを認めた。 2%蔗糖と6%乳糖溶液に0.02%レベルのアルコールを加えた時の味の強さへの影響について官能検査を行った。検査は評価尺度法を用いた。蔗糖では微量のアルコール添加で甘味の増加を認めた。乳糖では0.04%以上のアルコールで甘味の増加を認めた。
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