研究概要 |
1.新教育課程編成の基本骨格とカリキュラム理論の構築:(1)科学技術が学術的にも応用の面でも世界的に問い直されている今日,そして,現在の幼児児童生徒が変動を続ける近未来社会で,豊かで健全で個性的な人格に成長し,創造的な文化,独創的な科学技術を創みだし,国際的な視野で地球上の諸問題を解決し,人類の存在・共存,環境の保全に大きく貢献していくためには,旧来の均一化された教育の在り方,そして知識技能および方法の知識の習得を目指したこれまでの理科教育,物化生地の分科主義に基づく科学教育を抜本的に改革していく必要がある.特に科学技術,数学,情報,環境科学の発展なしでは考えられない将来の日本社会にあって,発達段階の低い学年から科学教育を重点的に,厳選の中で切れ目なく一貫性に富む調和のとれた教育課程を編成する必要がある.(2)科学技術(科学,技術,数学,情報)は益々その重要性を増し,科学教育は現代的未来的知性を培う人間形成の重要な基盤となっている.このための教育は,こうした社会を生き豊かに発展させていく市民としての科学的素養(数学的,情報的,技術的リテラシー)の育成を基盤に,他方では将来のリーダーを育成するための専門的素養を高めることを配慮し,独創性創造性,そして論理的思考力,応用力を高め,倫理観のある理性的な判断力を高めるカリキュラム編成が必要となる。これには,日常生活との関連を深め,社会・文化・環境・生態系への理解を深める科学的素養を基盤に,「発見・創造の連鎖」としての探究的な問題解決能力を高めるための教育を重視し,個性化・多様化を図る必要がある。 2.小中学校および中高等学校の新教育課程試案の策定:総合化の立場から,市民としての科学的素養と将来のリーダーのための専門的素養を育成する教育課程,教育内容の編成原理と具体的試案を進めている.
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