研究課題/領域番号 |
08308029
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 勝憲 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005940)
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研究分担者 |
木下 智見 九州大学, 工学部, 教授 (50037917)
香山 晃 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (80092203)
長谷川 晃 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80241545)
松井 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005980)
高橋 平七郎 北海道大学, エネルギー先端工学研究センター, 教授 (80001337)
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キーワード | 核融合炉 / 核融合炉材料 / 照射効果 / 低放射化材料 / セラミックス材料 / 核融合中性子 / 核分裂中性子 / 原子炉照射 |
研究概要 |
核融合実機条件下において、炉の立ち上げ・定常運転・停止時に想定される中性子フラックス・温度等の環境条件の変動に伴う照射条件の変動とこれらの組み合わせにより、これまで知られていなかった材料中における損傷の生成・発達過程が現れる可能性が最近の原子炉照射などの実験で指摘されつつある。また中性子照射下でのみ起こる動的照射効果についても、中性子フラックスの高い核融合炉において大きな影響を及ぼすことが予想されている。本研究においては、原子炉での中性子照射下でのみおこる動的照射効果、定常/変動照射による損傷組織発達および材料特性への影響、そしてはじき出しと核変換が同時におこる複合環境効果が及ぼす影響について、これまでの原子炉照射と加速器および電子顕微鏡照射を用いて得られたデータを整理し、さらにこれらの効果を明らかにすべく計画された最近の原子炉照射での結果を加えて検討を行った。下記にこれらの内容を示す。 (1)機能性セラミックスの照射下動的特性として、照射誘起電気伝導を取り上げ、絶縁材料として代表的なアルミナについて、JMTR(原研)およびHFIR(米国・オ-クリッジ国立研)といった原子炉内で実際に照射を行って得られたデータとその解析について詳細な検討を行った。その結果、現在建設が計画されているITER(国際熱核融合実験炉)における中性子照射条件内では、アルミナにおける照射誘起電気伝導は問題にならないであろうということが明らかとなった。 (2)セラミックス系低放射化材料であるSiC/SiC複合材料について、これまで得られたデータを元に、照射特性と高温特性を考慮し、耐照射性の高いと期待される複合材料の製作条件を検討した。また動的特性としての原子炉内照射下クリープ試験について試験片条件などについて検討した。また、複合効果としてのHeイオン照射実験を加速器を用いて行い、その機械的特性への影響について検討を行った。 (3)金属系低放射化材料としてフェライト鋼とパナジウム合金について、原子炉内での内圧管型クリープ試験法について検討し、今後の照射実験のための試験片作製条件などを検討した。また今年度は国内のデータに加えて、海外におけるF82H低放射化フェライト鋼とV-4Ti-4Cr合金についての中性子照射データ、非照射強度データ等の収集・整理を行って、今後の原子炉を用いての照射データ収集のための実験計画について詳細な検討を行った。
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