研究分担者 |
柴原 寿行 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70116937)
浦野 徹 熊本大学, 動物資源研究施設, 教授 (90101899)
佐藤 浩 長崎大学, 医学部, 助教授 (50072947)
有川 二郎 北海道大学, 医学部, 教授 (10142704)
石原 智明 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90082172)
|
研究概要 |
わが国では発生が確認されていないが,またはすでに制圧に成功したが,海外では依然として流行していて動物やヒトに重篤な疾患を引き起こし,あるいは動物実験に重大な影響を与える実験動物の海外感染病(輸入感染病)の万一の侵入に備え,迅速かつ的確な検査および防圧手段を準備しておくことは実験動物微生物学を専攻する者の務めである.本研究グループは,わが国で実験動物のウイルス病,細菌病,真菌病,寄生虫病の研究実績があり,かつ現在も研究活性をもっている研究者を網羅し,海外感染病の侵入の可能性とその被害程度を推定し,侵入が疑われた場合の即応体制を検討し,海外感染病の水際作戦を準備することを目的として結成された.とくに重要な感染病については発生時の対応訓練を実施し,海外の流行状況を迅速に入手するシステムの確立を目指した. 研究第3年度は,過去2か年の研究の総決算であり,現時点で知られている海外感染病について,病原性感染(伝搬)力,動物実験への影響の深刻さ,ヒトに対する危険性,わが国に侵入する可能性等の観点からその重要度によって順位を付け,上位のものからウイルス病131種,細菌病229種,真菌病19種,寄生虫病95種を選び,それぞれの感染病の症状,診断法,治療および予防法,文献資料の所在等に関するマニュアルを作成することを意図し,その原稿を完成させた.また,これらの感染病がわが国に侵入する恐れが生じたとき,または,不幸にして発生が確認されたとき,実験動物施設の管理責任者が直ちに採るべき対応に関する具体的なマニュアルの原稿も完成済させた. これらのマニュアルは要約して「研究成果報告書」に記載するが,その普及を図るべく 「実験動物感染病対応マニュアル」として出版するため,平成11年度文部省科学研究費「刊行補助金」補助金の交付を申請中である.
|