研究課題
基盤研究(A)
新しい画像技術を用いて早期肺がん候補の存在診断や質的診断の可能性の追求を行う。このための肺がんの画像診断法の確立及びこの診断支援システムの研究開発を行う。早期肺がんの存在診断には現行の胸部X線写真よりはるかに検診能が高いらせんCTを利用した検診法を確立してこの検診支援システムを構築評価する。これを集団検診を用いて従来技術では困難な微小肺がん候補の早期発見を実現する。また早期肺がん候補の質的診断には集検で特定した肺がん候補のThin section CT像から肺がん候補の濃度情報、病変形状及び病変周辺情報の特徴を用いて新しい良性・悪性の鑑別診断法の確立及びこの診断支援システムの構築を行う。これらの存在診断や質的診断に肺がん候補の経時的な変化を診断する経過観察診断を可能して信頼度を増すものである。これらにより高性能な微小肺がん候補の存在診断と質的診断を実現してこれらの開発技術を実用化するものである。本年度は集検用らせんCT像から微小肺がん候補を検出する高性能存在診断アルゴリズムを研究開発し、この開発アルゴリズムを計算機の専門家以外の人でも十分に操作できるユーザインターフェース機能を持つ検診支援システムとして実現した。本システムをらせんCTと一体化して国立がんセンターで3月より臨床試験を実施する。肺がん候補の質的診断はThin section CT像から良性・悪性の判定を行う有望なアルゴリズムを研究開発し、大規模肺がんCT像ベータベースで検証評価して興味ある成果を得つつある。また、経過観察診断に使用する撮影状態や呼吸などの経時変化を含んだCT像を同一時に撮影した画像のように補正するアルゴリズムも研究開発中である。
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