研究分担者 |
河田 佳樹 徳島大学, 工学部, 講師 (70274264)
馬場 則夫 大阪教育大学, 教授 (30035654)
大松 広伸 国立がんセンター東病院, 呼吸器科, 医員(臨床)
江口 研二 国立病院四国がんセンター, 内科, 副院長(研究職)
森山 紀之 国立がんセンター中央病院, 放射線部, 部長(研究職)
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研究概要 |
本研究では,ヘリカルCTを用いて早期肺がん候補の存在診断支援技術やその肺がん候補の質的診断支援技術の研究開発を行った.まず,検診モードの3次元CT像から肺がん候補を自動検出する存在診断支援技術をシステム化し,それを700症例の臨床テストで有効性を評価した.その結果,自動検出技術は専門医の読影結果と比較すると読みすぎが少し多いが,専門医と自動検出技術による2重読影方式にすると専門医の見落としを激減させ,この技術がCT検診において有効であることがわかった.次に,質的診断支援技術は精査モードの3次元CT像を用いて肺がん候補像の内部・形状・辺縁の特徴を解析し,これに基づいてパターン認識することにより良悪性を鑑別する自動診断技術を研究開発した.この性能を100症例に用いて専門医の診断能と比較評価した.この結果,自動診断技術が専門医より優れた診断結果を示した.このことはコンピュータ診断がCT検診において専門医の診断能を上回る可能性を示唆しており,さらなる研究開発に期待が持たれた.本技術は肺がんCT検診に有効で必要であり,さらに十分な臨床テストで有効性を証明した後に実用化する必要がある.
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