研究成果流通環境に関する総合的研究

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08308043
• 応募区分: 総合
• 研究機関: 学術情報センター
• 研究代表者: 内藤 衛亮 学術情報センター, 研究開発部, 教授 (10110074)
• 研究分担者: 荒川 譲 鹿児島大学, 教養部, 教授 (10041758) ; 鶴岡 弘 学術情報センター, 研究開発部, 教授 (10280562) ; 越塚 美加 学術情報センター, 研究開発部, 教授 (70270444) ; 影浦 峡 学術情報センター, 研究開発部, 教授 (00211152) ; 大山 敬三 学術情報センター, 研究開発部, 教授 (90177022)

研究概要

本研究は「研究成果流通環境に関する総合的研究」として、学術情報センターを中心に鹿児島大学、京都大学、熊本大学、国際基督教大学のほか、長岡技術科学大学など多様な大学の図書館を実験の場として、学内出版物の電子執筆、電子原稿、電子編集、電子文献、電子提供などのキーワードのもとに、大学紀要の電子化の運営課題、技術課題の検討を進めた。交付決定が平成8年12月であったため、今年度は準備段階と位置付けて作業開始した。
○学術情報センター 全文・画像データ作成の標準的なフォーマットの提案を行った。全文データには学術情報センターで作成した学術論文DTD、画像データには100dpi、16階調、GIFフォーマットを、さらにデータ作成手順案について検討した。
○鹿児島大学 紀要の電子的流通について学内教官の意識の調査を行い、紀要の電子的流通実現のための条件、問題点を明らかにするために研究成果流通に関するアンケート調査を行う。紀要を電子化し流通させる一連の過程のなかで図書館の果たしうる役割について検討する。
○京都大学 研究者ディレクトリを基本情報として、NACSIS-CATの書誌情報と「京都大学-研究教育の現状と展望-」のSGML化された全文データをリンクすることにより、研究成果の最新情報を提供する方式の確立を目標とする。今年度は「-現状と展望-」工学部部分をSGML化し、版下を作成した。
○熊本大学 文学部論叢最新号(1997年3月)を電子化するにあたり、全文・画像データベースを作成する手順の確立、著作権処理のノウハウの蓄積をテーマとする。今年度は文学部論叢最新号の論文著者(17名)への説明を終え、紀要等電子化の問題点を確認した。全学的な著作権処理手順の確立を検討課題とする。
○国際基督教大学 紀要「人分科学研究」の電子出版の可能性を求め、27号から電子的な編集に切り替え、発行を行っている。人文学およびキリスト教分野における電子出版、WWWによる公開において、図書館で可能な技術支援は何かを検討する。今年度は文科学研究26,27号をSGML化し、インターネットで提供の予定である。

研究成果

• [文献書誌] 影浦峡: "「文字単位のbigram尺度に基づく複合漢字列の単位切り手法」" 言語処理学会第3回年次大会. (1997.3.28)
• [文献書誌] INOUE Hitoshi,NAITO Eisuke,KOSHIZUKA Mika: "MEDIACY : what it is and where to go" paper presented at INFO-ETHICS-UNESCO International Congress on Thical,Legal and Societal Aspests of Digital Information,Mote Crlo,Monaco,10-12 March 1997. 6 (1997.03.10)
• [文献書誌] Kageura Kyo and Umino Bin: "Methods of Automatic Term Recognition…A Review…" Terminology : International Journal of Theoretical and Applied Issues in Specialized Communication. Vol.3,No.2. (1997.03)
• [文献書誌] 相原信也,内藤衛亮: "CJK(中国語/日本語/韓国語)環境下での国際標準件名標目システムの適用" 学術情報センター紀要(1997掲載予定). 第9号. (1997.03)
• [文献書誌] 大山敬三,高須淳宏,鶴岡弘: "「総合目録オンラインDBと情報検索システムの連携方式」“Configuration of an IR System linked to a Union Catalog On-line Database"" 学術情報センター紀要(1997掲載予定). Vol.9. (1997.03)
• [文献書誌] NAITO Eisuke: "Organizational Measures required,at the national level,to ensure the convergence of telecommunications,broadcasting and computer networks,and the conditions for regional cooperation" paper presented at the UNESCO Committee of Experts of Asia,the Pacific and the Middle East on Communication and Copyright in the Information Society,25-29 November 1996,New Delhi,Indida. 16 (1996.11.29)
• [文献書誌] NAITO Eisuke: "Adaptation of Universal Standardized Subject Heading System in the CJK (Chinese/Japanese/Korean) environment" Oneday Workshop organized by the IFLA Standing Committee on Library Services to Multicultural Populations sponsored by the IFLA Committees of Cataloguing and of Calssification & Indexing. 29 August 1996,Bijing.8 (1996.08.29)
• [文献書誌] Tsuji,K.and Kageura,K.: "Analysis of Word Structure of Medical Synonyms" TKE '96 : Proceedings of the Fourth International Congress on Terminology and Knowledge Engineering. 190-196 (1996.08.28)
• [文献書誌] Kageura,K.,Tsuji,K.and Takasu,A.: "Some Statistical Characterizations of Terminological and Non-Terminological Elements : Evaluation and Examination in Japanese Technical Abstracts" TKE '96 : Proceedings of the Fourth International Congress on Terminology and Knowledge Engineering. 131-138 (1996.08.27)
• [文献書誌] Oyama Keizo,Atsuhiro Takasu,Norio Katayama,Masaki Yamaoka,Osamu Iwaki,Jun Adachi: ""Approximate Matching for OCR-processed Bibliographic Data"" Proceedings of 13th International Conference on Pattern Recognition (ICPR 96). Vol.3. 175-179 (1996.08)
• [文献書誌] 越塚美加: "ドイツ文学研究者の情報利用行動:電子的な情報源活用の可能性をめぐって" 成果流通システムの研究開発:平成7年度報告(科学研究費総合研究(A)(課題番号06302076)研究成果報告書).越塚美加編.東京,学術情報センター. 41-49 (1996.06.30)
• [文献書誌] 内藤衛亮: "研究成果流通システムの研究開発-現状認識、課題、提案-" 「研究成果流通システムの研究開発」平成7年度 科学研究費総合研究(A)(課題番号06302076)研究成果報告書(ISBN 4-924600-49-0). 1-5 (1996.06.30)
• [文献書誌] 大山敬三,高須淳宏,鶴岡弘: "「学術情報センターにおけるオンラインDBとIRシステムの連携」“Design of an IR System linked to Online DB at NACSIS"" 情報処理学会研究報告(情報学基礎研究会)96-FI-41. Vol.96,No.34. 17-24 (1996.04.18)
• [文献書誌] 益森治巳、高城章代、北村明久、内藤衛亮: "大学紀要の電子化に関する著者の意識-鹿児島大学における調査-" 学術情報センター紀要(学術情報センター). 第8号. 75-93 (1996.03)
• [文献書誌] 越塚美加: "文献のブラウジングが研究過程に与える影響" 学術情報センター紀要. Vol.8. 131-142 (1996.03)
• [文献書誌] 杉本雅則,片山紀生,越塚美加,神門典子,高須淳宏,安達淳: "世界の電子図書館の研究動向について" 学術情報センター紀要. Vol.8. 221-231 (1996.03)
• [文献書誌] 鶴岡宏、大山敬三、内藤衛亮: "インターネットに適応した全文データベース検索システムの拡張-文書画像データへのアクセス:鹿児島大学教養部紀要を例として-" 学術情報センター紀要(学術情報センター). 95-105 (1996.03)