研究課題/領域番号 |
08309005
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
応募区分 | 総合 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤本 孝 京都大学, 工学研究科, 教授 (90026203)
|
研究分担者 |
加藤 義章 大阪大学, レーザー研究センター, 教授 (30093397)
米田 仁紀 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 助手 (00210790)
居田 克巳 核融合科学研究所, 助教授 (00184599)
澤田 圭司 信州大学, 工学部, 講師 (40262688)
加藤 隆子 核融合科学研究所, 助教授 (20115546)
|
キーワード | プラズマ / 電子速度分布 / 非等方性 / トカマク / 分光 / 衝突幅射モデル / 太陽 / X線スペクトル |
研究概要 |
京都大学のWT-3トカマクに対して偏光分光観測が行なわれ,ヘリウム用炭素,ベリリウムロ用酸素イオンの発光線が偏光していることが見いだされた。これはプラズマの生成、加熱にともなって、電子速度分布が非等方的になっていることを示す。この結果を解析するための道具としてアラインメント衝突幅射モデルが構築されつつある。電通大において、短パルスレーザーによって生成されたプラズマからのヘリウム用フッソの共鳴シリーズ線、および再結合連続光がともに偏光していることが見いだされた。このスペクトルは典型的な再結合プラズマの特徴を示し、後者の偏光は100eV以下の低エネルギー電子が非等方的な分布をしていることを示す。上述のモデルには再結合過程は考慮されていないので、これを取り入れてモデルを拡張する必要性が指摘された。再結合プラズマX線レーザーにおいて励起イオンのポピュレーションが、そこからの直接的な衝突幅射再結合によって大きく影響されることが指摘され、それを考慮に入れると今までミステリ-とされてきたリチウム様アルミニウムレーザー線の大きすぎる利得が説明されることが示された。 太陽フレアに対するX線分光観測において、鉄の存在比が時間とともに見掛け上変化する現象が見いだされた。その原因はいまのところ不明であるが、プラズマの時間依存性に起因する電離非平衡が考慮をされていないことがその原因かもしれない。星のX線スペクトルにおける鉄の水素様、ヘリウム様イオンの発光線強度が常識的なモデルからはずれている例が散見される。これも電離平衡プラズマの仮定が成立していないことがその原因である可能性がある。しかしながら、有限な光学的厚さの問題とも関連しているので、未だはっきりした結論は得られていない。
|