研究代表者は、ロシア極東の都市「マガダン」周辺に居住する少数民族とりわけ「エベン」の人々の遊戯について現地調査を実施した。このために、帆街道教育大学との間に交流のある「マガダン国際教育大学」を訪問し、そこで少数民族の代表の人々とのセミナーに参加することができた。このセミナーのなかで、エベンとエスキモーに伝わる伝統的な遊びが紹介された。これらの遊びが、少数民族の居住する地域の学校などにおいて、現在なお多くの子供たちに親しまれていることは非常に興味深かった。また、これらの遊びのなかに、かわ国でも広く行われている「あやとり」や「お手玉」によく似た遊びもあったが、これらの遊びのルーツを探る興味も深まった。しかし、一般的にはこの地域の遊びは「トナカイ」との関わりや自然条件と生産形態に深く関係していることが分かった。 共同研究者は、「国立モスクワ教育大学」を訪問し、同大学の学生・教官に対して、遊びと学習に関する聞き取り調査及びアンケート調査を実施した。また、このなかで行った学生・教官との間に「遊びと学習に関する歴史的比較研究」についての討論を行うとともに、教育学科の教授・助教授に対する「ロシアと日本の子供たちの健康・遊び・学習の諸問題について」の報告を行った。いずれも大きな関心が寄せられた。 上記2件の詳細な内容については、本研究の報告書「ユーラシアにおける遊戯と学習に関する歴史的研究」に収録した。
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