研究分担者 |
乾 敏郎 京都大学, 大学院・情報学研究科, 教授 (30107015)
藤田 和生 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80183101)
苧阪 直行 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20113136)
尾入 正哲 京都府立大学, 福祉社会学部, 助教授 (70185180)
清水 御代明 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (20031669)
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研究概要 |
1)カテゴリ知識が視覚認識に与える影響とその機能的役割について,カテゴリ認識がボトムアップ的な認識の仕方そのものを変えるのではなく,トップダウン的に認識の仕方に影響を与えていることを示唆する結果を得た.また,神経回路網モデルのシミュレーションによってトップダウン的なカテゴリ知識の作用により,心理実験の結果が再現できること示した.2)チンパンジーの時空間的境界形成(ランダムドットの物理的属性を仮想的な図形を移動させて次々変化させると,図形の輪郭が明瞭に知覚される現象)過程を分析した.ヒト同様,毎秒提示されるフレーム数が減少すると輪郭の知覚は弱まった.フサオマキザルとハトのObject Unity知覚の分析からは,サルでは肯定的な結果が得られたが,ハトでは得られなかった.3)運動のカテゴリー知覚について,輝度によって定義される1次運動とコントラストによって定義される2次運動が異なる処理様式と処理階層をもつかどうかについて,視覚探索課題を用いて検討した.実験の結果から,1次運動は並列に探索できるが,2次運動はそれが不可能であり,2種類の運動が異なる処理様式に基づき検出されることが明らかになった.4)カード分類法によって,ワープロソフトのメニュー項目のカテゴリー認知構造を検討した.分類される項目として,現在用いられているワープロソフトのメニュー項目名のみを記した項目(名前条件)と,その内容を説明した項目(内容条件)を使用した.その結果,初心者の場合には,名前条件では特にカタカナ用語の項目名が適切に分類されず,また項目名の表面的な字句上の類似に基づく分類が多くなされていた.内容条件ではある程度構造化されたカテゴリー分類結果が得られ,文書を書く具体的な手順に即したメニュー構成が求められることが示唆された.
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