研究概要 |
本年度の実施計画に基ずいて研究に取り組んだ結果以下の如き成果を得た。 1)筑波大学早坂研究室に協力っを依頼し,筑波地区を中心に茨城県,千葉県,埼玉県内の以下の保健センターで実施された3才児健康診断から母親886名より情報を得た。旭市,岩瀬町,岩間町,大宮町,笠間市,春日部市,金砂郷町,つくば市,土浦市,友部町,七会村,常陸太田市,ひたちなか市.情報は既に標準化されている「親子言語関係診断テスト」(拙著)のなかから抽出された20項目の調査項目について回答をもとめた。その他7項目からなる言語状況の評価が実施された。 結果の分析には,筑波大学早坂研究室に設置したApple Power Macintosh 8500/180並びに付属機器を活用した。 2)以下のような結果が得られた。 a.吃音群(20名),吃音high risk群(33名),吃音low risk群(533名)となった。%は吃音群:1.5%,high risk群:38.4%,low risk群:60.1%となり,従来の結果と同様であった。ただ,high risk群38.4%は今後重要な分析課題となろう。 b.親子言語関係診断尺度項目の因子分析から,3因子が抽出された。 第1因子は規範性の因子,第2因子:受容性の因子,第3因子:過保護性の因子と推定された。内須川がかねてから主唱している「吃音の言語関係に関する環境仮説」が支持された。 3)「U-1;A-2」に属する事例収集のためには,high risk群に関する分析が重要となる.更に多角的に簡易テストの開発が次年度への課題となろう.
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