研究課題/領域番号 |
08401011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 譲 東京大学, 史料編さん所, 助教授 (00164971)
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研究分担者 |
保立 道久 東京大学, 史料編さん所, 教授 (70092327)
久留島 典子 東京大学, 史料編さん所, 助教授 (70143534)
鶴田 啓 東京大学, 史料編さん所, 助教授 (10172066)
加藤 友康 東京大学, 史料編さん所, 教授 (00114439)
中川 正樹 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10126295)
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キーワード | 花押 / データベース構築 / 計測処理 / 平安時代 / 鎌倉時代 / 室町幕府将軍 / 足利尊氏 |
研究概要 |
本研究は、大きく二つの課題から成り立つ。第一は花押カードのデータベース構築、第二は花押の計測処理である。以下、本年度の研究概要と今後の課題について述べる。 先ず、第一については、既存の平安時代・鎌倉時代編纂用花押カード約3万枚を対象として、花押カードそのものをCD-ROMに画像デジタル情報として蓄積し、カードに記された文字情報のデータベースを作成し、両者をリンクさせ検索を可能なものとした。校正など手直しの必要があり、直ちに公開はできないが、その前提となる基礎的条件を整えた。 次に、第二に関しては、花押を電子計算機ディスプレイ上に呼び出し、分析指標に基づき二次元座標上で数値化し、形体変化を明示する試みを行った。この課題を遂行するために、PC-9821Xa16(NEC社)を中心にシステムを構成し、ある程度の分析可能なソフトウェアとしてドロ-イングソフト「CANVAS」(Deneba社)を選定した。室町幕府歴代将軍の花押を分析の素材として花押カードを作成した。システムの稼働に伴い、初代将軍足利尊氏の花押を試験的に分析し、花押の頂点・交点、線の長さ・角度、空間の面積、及びそれらの比率などを計測し、データを表計算ソフト「エクセル」(Microsoft社)によって蓄積し、数値により形体の様子を表した。またモ-フィングソフト「MORPH」(HULINKS社)を使用して動画を作成し、変化を動的に認識することを目指した。 今後の課題として、公開の基礎条件を更に進め、尊氏花押の分析を進めるとともに、それを他の人物にも及ぼすことが必要である。特に動的な変化に関して時系列概念をどのように反映させるかは大きな検討課題である。 なお、東京大学生産技術研究所坂内正男教授の格別な御指導を得ることができたことを付記する。
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