研究課題/領域番号 |
08401013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
戸沢 充則 明治大学, 文学部, 教授 (60061868)
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研究分担者 |
阿部 芳郎 明治大学, 文学部, 助手 (10221730)
安蒜 政雄 明治大学, 文学部, 教授 (00183153)
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キーワード | 縄文時代 / 黒耀石 / 石材採掘 / 原産地遺跡 / 中部高地 |
研究概要 |
本年度の研究活動は、鷹山遺跡群星糞峠地区における発掘調査と、その後の資料整理作業の大きく二つに分かれる。発掘調査は、(1)第39号採掘址において、縄文時代黒耀石採掘活動の最小作業単位である「竪坑」の平面での検出及びそれを目に見える形で立体的に発掘する、(2)採掘址群に隣接する一大石器製作工房址での竪穴遺構の発掘と、石器製作活動の復元、(3)採掘址群と石器製作工房址との立地の上での接点を見いだして、両者の関係を明らかにする。(4)採掘址群の最も古い堀り口を検出し分布範囲を明確にする、以上の4点を目的として実施された。 調査の結果、(1)について、竪坑の平面的な検出に成功した。しかし、数多くの堅坑が重複していたために単体の遺構として形のある状態では採掘できなかった。この調査の過程で、竪坑を埋める排土の推積状況を詳細に記録し、発掘活動復元の基礎データを増補することができた。(2)及び(3)について、石器製作工房址の精査により、いくつかの遺構を平面的に検出することに成功した。これらの遺構の完掘は次年度以降に持ち越されたが、黒耀石原石や剥片、敲き石や台石等多量の遺物を回収することができた。また、トレンチ調査により、工房址と採掘址群との立地上の接点を土層堆積から確認したが、両者の接点の面的な広がり具合や黒耀石包含層の広がりなど新たな課題が生じてきた。(4)について、峠の谷部に面した採掘址群及び石器製作工房址に接する斜面を試掘調査した結果、確実に両遺構群が存在しない範囲を確認し、掘り口に相当する地点の推測が可能となった。 こうした結果を受けて、1996年11月から1997年1月にかけて出土資料及び図面の整理作業が行われた。作業内容は膨大な遺物の基礎的整理作業が中心となり、次年度以降の調査方法を検討するための図面の整理検討作業が行われた。
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