研究課題/領域番号 |
08401015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | (財)中近東文化センター |
研究代表者 |
川床 睦夫 財団法人中近東文化センター, 学術局, 主任研究員 (00260141)
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研究分担者 |
手塚 直樹 鎌倉考古学研究所, 所長
真道 洋子 財団法人中近東文化センター, 学術局, 研究員 (50260146)
高橋 忠久 財団法人中近東文化センター, 学術局, 研究員 (20260143)
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キーワード | フスタート / イスラーム都市 / 都市生活文化 / イスラーム物質文化 / 飲料水 / フィルター / 中国陶磁器 / イスラーム陶器 |
研究概要 |
本研究は、1911年の予備調査以来、90年の歳月を費やしてエジプト文化省考古庁(現在は考古最高会議)が継続してきたフスタート(カイロの南部)遺跡の発掘調査の成果を研究し、カタログ化することを目的としている。本研究に着手した理由は、エジプトにおけるイスラーム考古学がフスタート遺跡に始まり、フスタート遺跡とともに発展し、すべての材料、技術を用いたすべての種類の物質文化が存在するからである。 第3年度に当たる平成10年度には、100万点を遥かに超える出土遺物の選別を完了した。遺物の山を、土器、陶器、飲料水用小壺のフィルター、中国陶磁器、ランプ、ガラス、パイプの雁首、上製スタンプ、タイル等に分類した。陶器はラスター彩、ファイユーム、ファーティマ、マムルーク、ハフス、トルコ陶器等に細分する必要があるが、残すところ20%程度となった。 最初にカタログ化する予定の飲料水用小壺のフィルターの選別、登録は完了し、エジプト国内の諸博物館所蔵品の調査を実施した。イスラーム芸術博物館2963点、コプト博物館206点、イスラーム陶器博物館20点、警察博物館6点、カイロ大学博物館14点、ポートサイド博物館52点、イスマーイーリーヤ博物館10点、タンク博物館16点、ベニースエフ博物館20点であった。この調査で約50点の新資料を得た。これでエジプトと日欧米諸国の諸博物館に納められているフィルターをほとんどすべて調査したことになる。既にデーターペース化もほぼ完了し、文様分類等の研究も進んでいるので、最終年度の平成11年度にはフィルターのカタログの準備を完了する。
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