研究分担者 |
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176161)
石田 正典 東北大学, 大学院・理学研究科・数学, 教授 (30124548)
藤木 明 大阪大学, 大学院・理学研究科・数学, 教授 (80027383)
篠田 健一 上智大学, 理工学部・数学科, 教授 (20053712)
諏訪 立雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40109418)
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研究概要 |
次の予想がある。GをSL(n,C)の有限群、C^nをn次元複素アフィン空間、S=C^n/Gをその商空間とするとき、もしSがcrepantなnonsingular resolution Xを持てば、Xのオイラー数はGの共役類の個数に等しい.この予想は、2,3次元では、いろいろなひとびとの仕事から、正しいことが知られている。 中村は、新しい観点から、2次元の場合に、この等式の数学的に興味深い説明を与えた。そのために、まず、Hilb^G(A^2),(G軌道のHilbert scheme)を新たに導入し、1996年度にそれを詳しく研究した。 さらに今年度,3次元の場合に現在Hilb^G(A^3)の研究を続けているが、最近完成した論文(preprint)の中で,GがGL(n,C)の可換有限部分群の場合に構造を決定した。ある種のグラフの集合が構造を記述するのに役立つが,3次元の場合には,このグラフは特別な性質を持ち,それが,Hilb^G(A^3)の非特異性を導くことが分かった。また,篠田は中村との共同研究のなかで,Hilb^G(A^3)の興味深い例を考察し,現在,中村とともに,その精密化と一般化に取り組んでいる。 藤木はある種のhyperkahler quotientとして構成されるhyperkahler多様体の,四次元多様体として自然な部分的コンパクト化で,種々の望ましい性質を満たすものが構成できることを示した。ここでは,四元数環の表現論が有効に用いられている。また,石田は前年に引き続きトーリック多様体に関係した,様々な加群の複体の研究を行った.特に交叉コホモロジー群の具体的な計算方法を研究した。これは,われわれの問題で,crepantなnonsingular resolution Xが存在したとき,その上のベクトル束のGrothendieck群におけるMcKay対応の一般化の考察に有用な手段をあたえると期待される。
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