研究課題/領域番号 |
08404002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 吾郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00027377)
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研究分担者 |
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
清水 勇二 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80187468)
吉田 敬之 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40108973)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
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キーワード | 楕円コホモロジー論 / 形式群 / 保型形式 / Morava K-理論 / Hopf代数 / 複素表現 / Lubin-Tate形式群 / 分類空間 |
研究概要 |
得られた研究成果は次の通りである。 まず、第1の研究は有限アーベル群、特に素数べき位数の巡回群の分類空間に対する楕円コホモロジー論の数論的構造についてである.この環の代数的構造は複素有向コホモロジー論の一般論から、係数環上のべき級数環を形式群のp倍列で生成されたイデアルで割ったものであることが容易に示される.ここで係数環のある種の完備化をすれば、p倍列は代数的であることが示され、求める環は係数環上の代数拡大となる。一方、楕円コホモロジー論の係数環は半整数のフーリエ係数を持つレベル2の正則保型形式のなす環と同一視される.この環の自然な拡大環としてレベルpべきの正則保型形式のなす環が考えられるが、この環の完備化が、求める環と同型になることが示された.この結果の意義をすこし述べる.有限群の複素表現の指標の定義するには、巡回群の場合を考えれば十分である。一方、有限群の分類空間の一般コホモロジー論はある種の表現と考えられる。Hopkins-Kuhn-Ravenelはこのような表現の指標を位相的に定義した。一般コホモロジー論がK-理論のときはAtiyahの定理からこの位相的指標は通常の表現の指標と本質的に一致する。しかしながら楕円コホモロジー論の場合、彼等の定義は人工的で本質的な意味が捉えにくい。上に述べた巡回群の楕円コホモロジー論の数論的解釈はこの問題の解明に寄与するものと思われる。 次に、Morava K-理論についても同様の結果が得られている.ただしこの場合は問題設定を次のように行った.有限アーベル群の分類空間に対し、そのp-進Morava K-群はHopf代数の構造を持つ,ただし係数環はWitt環、つまりp-進局所体の整数環に取っておく.このHopf代数を代数群と考え、p進閉体に値を取る群の構造を調べることを目標とした,Morava K-理論は局所理論であり、楕円コホモロジー論に比べ取扱が容易であり、特に位数pべきの巡回群のの場合、Hopf代数の構造はLubin-Tate形式群による局所類体論の構成を用いることにより決定することが出来た。
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