研究分担者 |
上岡 英史 学術情報センター, 研究開発部, 助手 (90311175)
柴田 徹 青山学院大学, 理工学部, 助手 (70082831)
松谷 秀哉 弘前大学, 医学部, 助手 (30241483)
市村 雅一 弘前大学, 理工学部, 助教授 (20232415)
倉又 秀一 弘前大学, 理工学部, 教授 (10215048)
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研究概要 |
日ロ共同気球実験による高エネルギー一次宇宙線の観測は,今年で4年目にあたり,カムチャッカ半島からボルガ河流域までの大気球による宇宙線の長時間観測データの解析を,引き続き行った.データの解析は,日本側が,弘前大学と青山学院大学,ロシア側は,モスクワ大学とレペデフ研究所の4つのグループに分けて行われている. 今年度の実績概要は以下のとおりである. 1. 本研究では,解析の大部分の時間が、測定器の下層に写っているカスケード・シャワーを、顕微鏡を使って、上層の衝突点まで追い上げる作業に費やされる.この追い上げにかかる時間を短縮するために,昨年より開発を進めてきた、顕微鏡、精密ステージおよびコンピュータを組み合わせた新追跡システムに改良を加えて、測定作業を行った.その結果,平成8年に観測したデータについては、衝突点までの追跡を終了し,親の粒子の同定、エネルギーの決定まで終了した.平成9年の観測データについては、各ブロック、ほぼ500例のカスケード・シャワーを検出した. 2. 9月にはモスクワで、本研究グループ主催の国際研究会を開催し,日本側から9人,ロシア側研究者多数が出席し今までの研究成果の報告を行い,今後の方針や計画などについて議論を行った. 3. エネルギー決定法においては,新しく荷電2次粒子の放出角を使う方法を確立した.このことにより,今までγコアを使って行っていたエネルギー決定のチェックが可能になり,エネルギー決定における信頼性を高めると同時に,決定精度も上げることができた. 4. 観測については,今年度はロシア側の都合により,次年度に来年度分とまとめて行うことになった.今年度は,来年度に気球に搭載する観測器に使用する,原子核乾板の塗布を行った.
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