研究課題/領域番号 |
08404012
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
南條 宏肇 弘前大学, 理工学部, 教授 (00106840)
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研究分担者 |
松谷 秀哉 弘前大学, 医学部, 助手 (30241483)
市村 雅一 弘前大学, 理工学部, 助教授 (20232415)
倉又 秀一 弘前大学, 理工学部, 教授 (10215048)
上岡 英史 学術情報センター, 研究開発部, 助手 (90311175)
柴田 徹 青山学院大学, 理工学部, 助手 (70082831)
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キーワード | 宇宙線 / エネルギースペクトル / 大気球観測 / エマルションチェンバー |
研究概要 |
カムチャッカ半島からボルガ河流域まで160時間程の長時間宇宙線観測を1995年より行っているが、今年度は7月に4回行い全ての観測に成功し、観測機は無事回収された。回収されたチェンバーの解体は、日本側から5人が参加してモスクワ大学原子核研究所で行われた。また解体後取り出された、宇宙線が写っている原子核乾板とX線フィルムを日本に持ち帰り、その現像をロシア側から2人が参加して、東京大学宇宙線研究所で行った。現像した乾板とフィルムは日本とロシアの双方に分配し、ロシア側の分については、初期解析を済ませ、エネルギー決定に必要なx線フィルム上の宇宙線スポットの濃度測定を終了させた。この濃度測定は日本の測定器でしか行えず、ロシア人2人が長時間滞在して行った。 11月にはロシア側研究者が7人訪問し、弘前大学で研究会を行い、現在までの解析結果の突合せおよび、今後の解析方針についての議論を行った。平成12年1月からはロシア人3人が弘前大学に滞在し、共同でトレーシングなど解析を共同で行った。 1995年より行われている観測のうち、1995年および1996年の結果についてまとめ、平成11年8月にアメリカで行われた宇宙線国際会議で発表した。この結果報告は、直接観測によるものとしては唯一のものであった。そしてこの結果を論文にまとめ、平成12年2月にAstro Particle Physicsに投稿した。 また、現在宇宙線検出に使われているカスケード・トリガー法は、重一次宇宙線の検出に対しては検出の効率が悪く、解析に多大の能力と熟練を要するので、このカスケード・トリガー法に代わる新しい宇宙線検出の方法として、衝突点直下のジェットを直接検出する方法、およびスクリーンタイプx線フィルムを使って全ての重粒子を衝突点まで追い下げる自動検出システムの開発し、その実用性を確立した。
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