研究課題/領域番号 |
08404013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
延與 秀人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30213606)
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研究分担者 |
千葉 順成 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (50126124)
舟橋 春彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00283581)
村上 哲也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50219896)
政池 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40022587)
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キーワード | 中粒子 / カイラルシンメトリー / ガスチェレンコフ / 核物質 / 媒質効果 |
研究概要 |
実験セットアップはほぼ予定どおりに進行し、平成8年11月にビームを用いたスペクトロメータの初めての調整を行なった。反応レートの確認、測定器全般の調整を行ない、測定機器の動作確認を済ませ、また必要な改良点など理解することを行なった。予算の関係上一部の測定器 後段ガスチェレンコフ)は来年度に製作することとした。以下、年度始めの提出計画にしたがっての進行状況を記す。 解析システムの構築 C++を元にした解析プログラムの骨格が完成し、京都大学とKEKでの計算機で走らせる準備が整った。これにより大学と実験場所で並行して解析をするための基盤は確立した。平成7年度に予定したKEK-京都間の高速データリンク(16Mbps)はネットワーク上のトラブルから困難であったので、現在は2Mbpsのデータリンクを用いている。平成9年度に学情のATM回線を利用したグレードアップを行ないKEKの計算機群と大学の計算機のネットワーク的直結状態実現する予定である。 飛跡検出器の校正および改良 予定した飛跡検出器の製作が終了し、ビーム実験でのデータの収集に成功した。ほぼ予定どうりの動作が確認されている。残念ながら製作が送れたために飛跡検出器の校正は未だ手つかずであり、次年度に実行したいと考えている。この検出器で初めて導入されたセラミックエンドプレートは信号取り出しが簡便であるなどの実用上優れた点がある。実装上の利点が確認され、高湿度状態における問題点なども解決方法が見つかり、セラミックのチェンバー製作における利用が確立したと考えている。 紫外有感Gas Cerenkov Counterの開発 本研究で遂行する実験では重心系後方に出た、原子核中の滞在時間が長いmesonに焦点を当てている。そのために大立体角をおおうsegment化されたGas-Cerenkov counterが必要になった。このような大立体角のGas Cerenkov Counterは世界的に見ても例が少なく、本年度の製作過程でその実用性が確立した。UV光の領域までの効率よいlight collectionを実現する曲面ミラーや光電子増倍管に効率よく光を集められるウィンストンコーンの製作なども行なった。この光学系はエアロジェルカウンタの集光システムにも応用され少ない光電子増倍管数で効率よく光子を集めるデザインが実用化した。
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