研究課題/領域番号 |
08404013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
延與 秀人 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30213606)
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研究分担者 |
舟橋 春彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00283581)
村上 哲也 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50219896)
政池 明 福井工業大学, 工学部, 教授 (40022587)
千葉 順成 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50126124)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | φ粒子 / カイラルシンメトリー / 核物質 / 媒質効果 / 電子陽電子対 / 不変質量分布 |
研究概要 |
我々が普通知っている素粒子の質量、崩壊幅といった性質は自由空間(温度T=0,密度p=0)で決まっているものであり、有限密度、有限温度の核物質中に置かれた素粒子の性質は自由空間とは異なったものになっていると考えるのが自然である。本研究では核内で崩壊するφの崩壊比および不変質量を測定し、chiral symmetry restorationで記述できるような核物質効果が存在するか否かを実験的に検証することを目的とした。素粒子に質量を与える機構「カイラル対称性の自発的破れおよびその回復」を核物質中での素粒子の振舞を通じて研究するという、実験的にまったく新しい分野を開くことが狙いである。 実験セットアップとしては平成10年2月に、最後の電子同定用検出器、後段ガスチェレンコフカウンターと後段電磁カロリメータがインストールされ、スペクトロメーターとして最終的に完成した。それに先立って、平成9年度にφ→K^+K^-のテスト的データー収集を行い、平成10年5月より、φ→e^+e^-とφ→K^+K^-の両チャンネルで、3rd-levelトリガーを含めた最終データー収集ストリームが導入され本格的なデーター収集を開始した。 平成9年度のデータは解析が終了し、いくつかの国際会議発表がなされ、また、四日市氏の学位論文とそれの伴う公表論文として発表されている。この時点では統計が不十分であったため、φ粒子の生成断面積の原子核依存性を議論するにとどまったが、平成10年、11年のデータからφ粒子の核内崩壊の幅とそのシフトを示すデータが得られ、いくつかの会議報告によって公表された。 この報告ではこれまでの研究成果をまとめ収録した。この研究課題はいくつかのユニークな検出器開発を含んでおり、その成果も合わせて収録した。
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