研究分担者 |
吉田 勝英 広島大学, 放射光化学研究センター, 教授 (90029489)
飯沼 昌隆 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (00294512)
高橋 徹 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (50253050)
後藤 公徳 広島大学, 放射光化学研究センター, 教務員 (30284227)
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研究概要 |
・昨年度,高エネルギー加速器研究機構田無分室に装置を搬入して行った予備実験(最高エネルギー350MeVの制動放射による対創生断面積の光子エネルギー依存性測定)のデータ解析をさらに進め,非対称エネルギー対創生についても,単結晶からの断面積のエネルギー依存性を決定した。これにより,非対称度とコヒーレント効果による断面積増大のおこるエネルギーの間の関係を始めて実験的に示すことができた。 ・理論式の再検討を行った結果,ダイアモンド構造をもつ結晶の<111>軸方向に光子を入射した場合,コヒーレントな対生成およびポジトロニウム生成には,特定の次数のピークが消滅するという規則があることを見いだした。 ・広島大学の150MeV電子周回装置におけるポジトロニウム生成と検出に関する検討をおこなった結果,0.1T程度の磁束密度をもつ長さ30cmの永久磁石により,電子・陽電子対の中からポジトロニウムを選別することができることがわかった。 ・これらの検討に基づき,電子陽電子対のコヒーレント効果の精密実験と単結晶におけるポジトロニウム生成崩壊実験を同一装置で行えるような測定システムを構築した。現時点では,加速器ビームタイムを持っている状況であり,測定はまだ始まっていない。
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